イスラマバード(CNN) 複数のパキスタン軍事筋は7日、同国北西部にある政府直轄部族地域の北ワジリスタン地区の村落にミサイル攻撃があり、9人が死亡したと述べた。アフガニスタン駐留米軍の無人武装偵察機による攻撃とみられる。死者数が増える恐れもある。
同地区はアフガニスタンに隣接し、米国は国際テロ組織アルカイダやアフガンの政権を追われたイスラム教強硬派勢力タリバーンの残党や支持組織が自由に活動、アフガンへの越境攻撃への拠点にしているとも主張している。
パキスタン領内での米軍無人機によるミサイル攻撃は今年後半に加速。米特殊部隊がヘリコプターで侵入、拠点を攻撃した例もある。AP通信は、今年8月以降、ミサイル攻撃は18回に達したと伝えた。
米政府は一連の越境攻撃の実施について確認を避けているが、パキスタン軍によるイスラム過激派対策が功を奏していないことにいら立ち、開始したものと受け止められている。パキスタンも統括するペトレイアス米中央軍司令官はこれらの攻撃で複数の過激派指導者を殺害したと戦果を誇示もしている。
ただ、住民の犠牲者も多く出ているとみられ、パキスタン政府は主権侵害と反発、米政府に厳重抗議もしている。ペトレイアス司令官は3日、パキスタンを訪れ、ザルダリ大統領、ギラニ首相らと会談し、パキスタン側から越境攻撃に対する抗議があったことを認めていた。