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米国債の購入で悪循環を阻止せよ（日経夕刊 十字路 11月7日）を読んだ。すばら
しいご高説である。日本国民には１家庭当たり６万円の見せ金を渡し、３年後に消
費税大増税で回収するが、アメリカの紙くずとなるドルには日本人一人当たり５０
万円以上（数千億ドル）の枠（つまり３人家族では１５０万〜２００万円）のカネ
で米国債を買い支えよという案である。
日本国民には財政破綻の危険性を宣伝して、消費税増税を押し付けても平気である
が、アメリカを救うためには、３０倍以上のカネをただで呉れてやって、もうすぐ
紙くずになるドルを買い支えようと言う提案である。
数千億ドルと言う規模は、日本の１年間の国家予算に匹敵する。これだけのカネを
閣議決定も何もなしに、日銀所管の外貨準備の積み増しと言う、一見安全なやり方
で行うと言う主張であるが、財源は、日本国債の増発になるのだろうか？（笑）
＜背景に日本金融界、財務省・金融庁の思惑＞
この提案は、今年７月１１日（１６日と言う説もある）に行われた渡辺前金融相と
米関係専門の米政府元高官の会談での密約履行を迫るものである。日経新聞は、知
らない振りを装いつつ、この密約を履行することで、対米従属路線を継続できると
思い込んでいる自民党中枢部と霞ヶ関の財務省・金融庁官僚グループの思惑を代弁
している。
筆者は、三菱ＵＦＪの関係者である。ＪＰモルガンに対し、豊富な手元資金の蓄積
を利用して出資し、米国の銀行に足場を築いたつもりが、その後の急激な株暴落で
自社の財務基盤が想定以上に悪化し慌てて増資に走ったあの銀行グループである。
さらに、三菱ＵＦＪは米二大住宅公社債権の保有額でも、ＪＡグループを除くと、
国内トップの３兆３千億円相当（既に為替相場変動でこの金額から元本が目減りし
ている）を抱えており、これ以上三菱ＵＦＪファイナンシャルグループの損失を増
やさないためには、ドルの買い支えが必須である。
＜数千億ドルは救済資金となりうるか？＞
私の想定であるが、これでは、決定的に足りない。確かに数千億ドルという金額を
見れば、膨大に見える。しかし今暴落している不動産市場の２大公社が関与する債
権だけで、５兆ドルと言われている。米国住宅価格があと１０％下落するだけでも、
この部分だけで軽く５千億ドルのカネが消えてしまう。
このカネを仮に全米不動産の買い支えに投入すれば、一時的に下落を阻止できるか
も知れない。しかし、そんなことをしてもだめである。９月末危機以降、急激な景
気悪化で米国の雇用情勢が今後一層悪化し、「高給取りから首になっていく」過程
が着々と進行している。
その結果、ドル建てでも米国民の所得水準（＝生活水準）はどんどん下がっていく。
となると、適正な（割安と感じる）家賃水準や、これに準じて決まる適正な住宅価
格の水準も大幅に低下する。つまり、もはや無理やり米住宅価格を人為的に高止ま
りさせても。需要が存在しなくなる（笑）のである。
＜レバレッジ効果を見ていない＞
巷で言われている通り、取引にレバレッジが掛かっている。従って、実際に動いて
いるカネの総額は、桁違いに大きい。バブル崩壊前のアメリカ経済を維持するため
には、１年間で約１兆ドルの貿易黒字の還流が必要と言われていた。米国の経済は
そのカネで住宅価格や株価を吊り上げ、世界中の投資に回していた。しかし、その
カネの流れは既に停止し、大きく逆流している。
既にこれまでのアメリカ経済の繁栄を支えてきた仕組みは、成り立たなくなってい
る。機械に例えれば、あちこちで歯車が壊れて無理やり逆回転している状態である。
米経済の建て直しには、まず経済規模を大幅に縮小し、勤勉と倹約を重んじる開拓
者精神への回帰が必要である。
現在の不良債権を一部買い取っても、次の不良債権が出てくる。次はクレジットカ
ードの大規模な破綻である。証券化のお陰で、この残高も着々と積みあがっており、
来年から本格的に破綻が始まる。
田中宇氏の最近の論説によれば、ＥＵ諸国も自分達の誕生に多大な借りがあるはず
のヘッジファンドを本気で潰そうとしている。何故ならば彼らを放置しておけば、
今後一層株や為替の相場が極端に不安定になり、自らも土地バブル崩壊や米証券化
商品の大量購入でガタガタになったＥＵ経済の建て直しに障害となるからである。
従って、日本だけが従来の政治経済的枠組みを維持しようとしても、みすみす国民
の血税をドブに捨てるだけである。
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住宅が駄目ならクレジットカード？
http://blogs.yahoo.co.jp/giantchee2/44865554.html
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【国際政治経済学入門】米に外貨準備提供 中国にも呼びかけ 田村秀男
07/19 05:57更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/162393
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米国債の購入で悪循環を阻止せよ（日経夕刊 十字路 11月7日）
三菱ＵＦＪリサーチ＆コンサルティング調査部長 五十嵐敬喜
（抜粋、要旨）
米金融危機が悪性スパイラルに陥らないために、手当てが必要だ。悪循環の動力源
になりかねないのは信用収縮と家計による債務圧縮だ。自己資本が減った金融機関
が経営の健全性を維持するために与信を抑え込めば、実体経済の首が絞まる。実体
経済が悪化すれば不良債権が更に増加し、信用収縮が一層加速する。
一方家計は、住宅価格の上昇をテコに支出を拡大させてきた。その結果、債務残高
対総貯蓄（キャッシュフロー）比率は、４０年分に達している。１０年前には１５
年分だった。今後米家計は、消費を抑えて債務を返済する。
取るべき対策は、米金融機関の保有する不良債権を買い取って、オフバランス化し
てやる必要がある。家計に対しては、減税等によって債務調整の行動をサポートす
べきだ。
金のいる話であり、財源は米国債発行、増発される米国債の一部をわが国に引受け
ることは国益に合致する。具体的には外貨準備として、何年かで数千億ドルをドル
買い介入して、米国債の形態で保有する。これを日本政府がコミットすればドルは
暴落しない。
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申し訳ありません、昨日１１月６日の夕刊の間違いでした。今日の夕刊は、まだ読んでません。
2008/11/7(金) 午後 3:35 [ phon_bb ]
コンドラチェフは「景気循環の周期」を50年〜60年としたが、この周期を参考にウォーラーステインは「覇権の周期」をコンドラチェフの景気循環周期2つ分とした。
1945年から始まったアメリカの覇権は、この予測に基づくなら、1945＋60＝2005となり、2005年あたりでピークを迎え、後は衰退の一途を辿るだけである。
2008/11/7(金) 午後 9:18 [ ξюζ�� ]