4月に入って、出産シーズンが始まり、そして6月に入った今、あちこちに、
デビューしてきた子猫を連れた母猫がいますね〜
生後1か月半〜2ヶ月目に入ると人前にデビューしてくるので、ちょうど今くらいの
時期ですね。
子猫は生まれてすぐには、人前には姿を現さず、生後1か月過ぎ位までは、
人間に絶対に見つからないような安全な場所でお産して、授乳をして育てます。
その間、母猫さんは、自分のご飯をもらいに(探しに)出るほかは、ずっと子猫たちに
寄り添ってます。万が一、人間に子猫を育てているところが見つかってしまったら、
まもなく、また人目につかない場所へ子猫を運んで引越しをします。
子猫が生後1か月を過ぎると、子猫から離れる時間と距離が少し長くなったりして、
子猫を確認できるようになったりしますが、人間がそばに寄ろうものならば、
「うちの子に指一本触れてみろ!殺してやる!」と言わんばかりに、必死に
怖い顔をして威嚇してガードを固くし、絶対指一本触れさせないようにします。
生後1か月半を過ぎると、母猫は、少しづつ、自分の餌場に子猫を連れてきて、
自分が餌をもらっているところやトイレの場所を見せたりします。ご飯はまだまだ
お乳を吸わせていますが、離乳食の感じで、自分の食べたものを噛み砕いてあげたり
します。2ヶ月位になってくると、お乳の出も悪くなってくるのと、子猫も犬歯が
しっかりしてくるので、自分がもらった大人用の餌を子猫に運んで、
「おまえが食べてごらん」と譲って食べさせたり、
「こうやって食べるんだよ」「ここでこうやってもらうんだよ」とか、
「トイレはここでこうやってするんだよ」みたいな、お手本を見せたり、
「ここは危ないよ」と教えたりします。
そうやって、子猫を連れて社会勉強をさせているような時期がちょうど今の時期ですね。
逆に、母猫から育児放棄されて、放置された子猫を保護することも多いです。
子連れデビューしてきた母猫と子猫を、子猫を里子に出すために捕獲してほしいという
依頼がかなり多く寄せられています。
気軽に「子猫がいるので、保護してほしい」と言われる方もいるようですが、
子猫を母猫から引き離す精神的な苦痛ったら、ありません。
子猫の悲鳴、母猫の叫びを聞くのは、耐えがたいものがあります。
できれば、母子ともどもいる今の時期の捕獲はさけたいです。
乳飲み子なら母子一緒に保護して、どなたかが預かってくれることが前提でなければ、
やりたくないです。母子ともに捕獲は大変ですが。
子猫を幸せにするために、里子に出すためにしていることでも、お母さん猫にとって
母子にとって、兄弟猫にとって、それがいいことかどうかなど、、、分かりません。
本気で子猫を守ろうとするお母さん猫との闘いとなります。
私はそんな体を張って必死に子を守ろうとするお母さん猫と対峙するとき、
自分が悪いことをしているようにしか思えない時もあります。
少しガードが緩んだ頃を見計らって捕獲をするわけですが、それでも、遠くから
母猫がこっちをじっと見ていて、子猫を案じているのが分かります。
「このままそっとしておいたほうがいい?もうやめようか?」
そう心の中でつぶやき、葛藤したりします。
それに、
子猫は兄弟で生まれて、4,5匹いることもざらで、野性味のある子猫の場合、
捕獲は一度に全部というわけにはいきませんから、たった一か所の現場でも、
何度も足を運ばないとならないので時間がかかったりします。まず下見に行き、
何時ころ、どこに現れるのか、餌は誰にいつどこでもらっているのか、知る必要が
あります。
餌をもらった後で、捕獲器をしかけてもお腹が空いてないと、誘導餌にそそられず、
捕獲器に入ってくれず、無意味になってしまうからです。何時間か粘って、やっと
兄弟5匹のうちの1匹が捕まる、ということはよくあることです。
人間に全く慣れておらず、警戒心の強い子猫は、子猫でも難しいのです。
母猫というのは、また警戒心の塊のようなもので、これまたかなり難しいです。
ある現場に、人にスリスリ甘えてきて、はじめは触れた母猫がいるのですが、
その子でさえ、今は3匹の子猫をすでに捕獲されて、警戒モードになってしまい、
触らせてくれるどころか、餌をおいても近寄ってくれなくなってしまいました。。。
子猫に近付くと、「危ないから、あっちに行きなさい!」と離れた所からも見ていて
大きな声で鳴いて、指示してます。
ということで、母子猫全員を捕獲するのには、それなりの時間と労力と気力が必要です。
そこへ、母猫との格闘もあると、だんだん体力気力消耗気味になってきてしまいますね。
ですので、この時期、それが7件も、8件もあると、正直キツイです。(:_;)
これから保護しなければならない(保護相談を受けている)子猫たちが、数か所で、
ざっと10匹はいますかね。。。でも、やりませんとは、言えません。。。
猫は何としても救いたいと思ってしまいますからね。それが使命と思って動くのが
猫ボランティアですから。
同じ猫ボランティアの方(個人で活動されている方)とお話しすると、皆さま、
今、キツイと仰ってますね。
みんな、今きついんだよな、、私も頑張らないとな・・と思ってます。
とにかく、猫の保護は、一時預かり先さえ見つかれば、里親探しへの道が開けます。
ですので、保護された方、どうかお願いいたします。m(__)m
里親探しについては、私はよく、ご縁にもよりますが、「子猫については1か月、
成猫については、3か月〜半年ほど猶予を下さい。」と依頼者や保護主様、
こちらが保護した猫の預かり様にはお話してます。
実際には、これまでのところ、そんなにかからずに決まっていますが、
成猫というのは、本当に子猫に比べて、格段に希望が減ってしまうんです。
どんなに人懐っこくスリスリの甘えん坊な猫さんでも、です。
そんな風に人慣れした可愛い猫さんが、たくさん、おうちがなくて困って、
あふれているわけです。もっとも、ちゃんと安心してお任せできる預かり様のおうち
にいる猫なら、こちらも焦らずに落ち着いて探すことができ、これまでは、たまたま
運のよいことに、全て半年もかからずに何とか見つけることができています。
里親様が見つかるまで、落ち着ける一時預かり先さえ決まれば、もう、里親様も
決まったようなものです。
(ただし、そうは言っても猫エイズ・白血病・FIP等感染症のキャリアの猫は
可能性としては、相当低くなってしまいますが・・(ゼロに近いほど)・・)
子猫は、保護当初の猫風邪(目鼻グチュグチュ)が、きれいになれば、まもなく
里親さんは見つかります。
一時預かり先が確保できるかどうかが、その後の猫の運命を大きく左右します。
私は以前は(2年ほど前までは)、
「子猫がそこにいるから助けてあげて下さい」という相談を受けると、
いつも、「では、一時預かりをお願いします」と言ってきました。
普通、猫を飼えないから、里親探しを依頼しにくるわけで、相談される方が
猫を飼えない環境だということは、百も承知です。無理を承知でのお願いです。
飼えるなら、そのまま飼えばいいことです。
皆さん、忙しくて飼えない、ペット禁止だから、家族が反対して・・・
などと言われます。当然そのような事情があるからこその里親探しなわけでしょう。
だからこそ、その方には里親が決まるまでは少し頑張ってほしいと思っています。
誰かが無理をしなければ、猫は救えません。
猫シェルター(大きな保護施設)のようなものは残念ながら当会にはないのです。
あったら、すぐに満杯になってしまい、いつのまにやら、
そこは、、、殺処分場と化してしまうことでしょう。
ノンキルシェルター(殺処分しない施設)というのは、動物愛護の先進国の欧米でも、
珍しい存在です。
私が今すぐシェルターを作ったとして、あるいは自宅をシェルター状態にしたとして、
エイズ・白血病の子が出たら・・・FIPの子が出たら・・他の猫をかみ殺すような
凶暴な猫を保護してしまったら・・
下半身不随で歩けず、垂れ流しの猫や、重い病気の猫を何匹も抱えてしまった上に、
生後間もない乳飲み子も次々に運ばれてきたら・・そうしたら、猫を救うどころか、
猫たちにとんでもない状態になってしまうに違いありません。。。
とりあえず、猫にとって、一番安心できるいい環境は、それぞれ個人のおうちの環境
だと思っています。猫を保護した方、皆様、それぞれ事情を抱えているわけなので、
その保護した方々に、何とか頑張って面倒を見ていただくしかないと思っています。
保護される方ひとりひとりがそれをしてくれさえすれば、猫はもっともっと救えるはずです。
そうであったら、これまでも、救えたはずです。
発見された方が、一時預かりすらできないということでどれだけの猫を救えずにきて
しまったことでしょうか。発見された方に、一歩、踏み出す勇気があるかないか、で
猫の運命が決まるのです。
先日中原で、生後間もない乳飲み子と母猫の母子6匹を保護して下さった方のように、
とりあえず、バスルームにおいて、1,2週間面倒見る、という手もあるではないですか。
その方は、ワンルームにお住まいで、すでに猫を3匹も飼っていましたが、勇気をもって
保護して下さいました。その方の勇気により、ダンボールに入った母子猫は救われました。
母猫は、足を脱臼し、それでも、お乳をあげて懸命に子猫を見守っていたのでした。
いったん、それぞれのおうちで保護されたら、猫はきちんと面倒見てもらえています。
人の愛情に触れ、保護されるまでに経験したたくさんの怖い思い(トラウマ)も、
そこで癒されて、人間に少しづつ心を開くことができるようになり、カワイイ猫さんに
なっていったりします。
でも、預かれないことで保護に踏み切れない、救えない命がたくさんあることを
重く受け止めるようになり、預かり先探しから引き受けるようになったのが
最近です。でも、やはり、限界があるところが、辛いところです。。
また、保護後、当会のほうに里親探しを依頼するか、東京都動物愛護相談センターに
連絡して処分をお願いするかも、猫の運命の分かれ目になります。
つい先日、ある市内の方から、庭先で子を生んだ母猫の不妊手術の相談を受けましたが、
その方に生まれた子猫はどうしたか尋ねたら、
「日野の東京都動物愛護相談センターで引き取ってもらいました」と。
ガーン!!です。なんで、不妊手術の前に、相談をしてくれなかったのでしょう?
事後報告では遅すぎます。。
聞いたら、「知り合いに聞いて、里親探してみたが、誰もいなかったから」とのこと。
『なんで!!一日で里親探しなんてできるわけないでしょ!預かり先を探して、
それからすることですよ。。預かり先あてがないなら、有料で預かってくれる
ところもあるし、お金ないなら、私が預かり先を探しますからそっちにもっていかないで
ほしかったー!!こっちに連絡してくれていれば・・』と心で叫んでみても既に遅し。。。
猫を保護されたら、まずは、一時預かり先を探すことであって、いきなり里親探しをして、
すぐにダメでした、と結論を出してしまわないでほしいです。
たった、1週間、1か月預かっていただくだけでも、それで生かす方へと、
幸せへと命をつなぐことができるのです。
支離滅裂な今日のひとりごとでした〜 m(__)m
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