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BL小説めぐり議論白熱 堺市立図書館に5500冊

2008年11月5日

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 「ボーイズラブ(BL)」と呼ばれる男性同士の恋愛を題材にした小説を図書館に置くべきかどうか。BL小説を20年近く買い続け、計5500冊を所蔵する堺市立図書館が対応に苦慮している。「子どもに悪影響を与える」と廃棄を求める声がある一方、「性的指向による差別につながる」と廃棄の差し止めを求める住民監査請求が4日、市に出されるなど議論が起きている。

 BL小説は作者も読者も主に女性で、文章の合間に、1冊で計数ページの挿絵があるのが一般的。堺市立図書館では全裸の男性が抱き合ったり、下半身に顔をうずめたりしている挿絵がある作品も扱っているが「1冊あたり1、2ページに過ぎず、大阪府条例の有害図書にあたるものは一切ない」としている。

 計7館の堺市立図書館を統括する中央図書館によると、堺市立図書館では利用者の要望を受けて90年からBL小説を買い始めた。03年には最多の825冊を購入したが「内容が過激化し、一定の配慮が必要」と05年から抑制している。総数は蔵書の1%未満、購入総額は約370万円という。

 「ほかに買いそろえるべき有益な本はたくさんある」。今年7月以降、電話や複数の図書館窓口で、市内在住の子どもの保護者らから廃棄を求める声が相次いで寄せられた。一方、4日に監査請求した市民は「基準に基づいて整備した図書を、特定の意図で排除することは許されない」と訴えている。

 堺市立図書館は8月、露骨な性描写があるイラストや文章があるBL小説について(1)今後、収集しない(2)18歳未満に貸さない、などとする方針を決めた。中央図書館の松井孝参事は「『露骨』の線引きは難しい。利用者の反応を見ながら、検討を続けたい」と話している。(岡本玄)

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