航空自衛隊の田母神(たもがみ)俊雄・前幕僚長(60)が日本の侵略や植民地支配を正当化する論文を発表して更迭され、3日付で定年退職となったことを受け、麻生首相は4日、浜田防衛相に対し、関係者を厳しく処分し、再発防止策を講じるよう指示した。
浜田氏が首相と会談後の記者会見などで明らかにした。浜田氏は「(論文投稿を)事前に把握できなかった。厳正な処分と総理からも言われたので検討したい」と述べ、自身を含む関係者を処分する意向を示した。再発防止策については「自衛隊員が偏向した歴史認識を有することのないよう、政府の歴史認識を踏まえた適切な幹部教育を進めていく」と述べた。
田母神氏を定年退職扱いにしたことについては「辞職意思もなく、処分手続きに協力する見込みもなかった。懲戒免職は審査に時間がかかり、手続きが長引く間に定年が来る」と説明した。6千万円程度とみられる田母神氏の退職金については「制度上、定年退職なので、支払われることになると思う」と述べた。