政情不安が続くタイでは政府支持派と反対派の対立が激しくなり、市民同士の衝突が懸念されています。
今、タイでは赤が政府を応援する人たちのシンボルカラーですが、この日はスタジアム全体が赤一色に染め上げられています。
バンコクで1日に開かれた政府支持派の集会には、8万人以上が参加しました。この日の主役は、首相在任中の罪で先月、実刑判決を受けたタクシン元首相です。
現在、イギリスに政治亡命を申請中のタクシン氏は、国際電話とVTRで、判決後初めて支持者に直接メッセージを送りました。
「私がいなくて寂しくないですか?」(タクシン氏)
「寂しい!」(観客)
「私を10年も海外にとどめますか?」(タクシン氏)
「NO!」(観客)
タクシン支持派としては、自らの勢力を見せつけ、再度のクーデターをけん制する狙いもあります。
一方、2か月以上にわたって首相府を占拠し続けている反政府団体のシンボルカラーは黄色。タクシン氏の身柄引き渡しなどを求めて断続的にデモを展開しています。
タクシン支持派と反タクシン派、タイ社会の分裂は、政局の混迷とともに、ますます深刻になっています。(02日02:09)