経営会社の財務状況が悪化して、先月廃業した東京・品川駅前の京品ホテルでは、別のホテル運営会社への明け渡し期限が過ぎた1日も、従業員らが自主営業を続けています。
31日に明け渡し期限を迎えた京品ホテルの居酒屋で、11年間料理長を務めてきた金本正道さんは、1日朝も開店の準備をしていました。
Q.きのうときょうで気持ちの変化は?
「大きくは変わらないですよ。まだ何も解決していないから。疲れました・・・」(金本正道さん)
金本さんら元従業員たちは、60億円に上る負債を理由に、経営する会社側から先月20日付けで突然の解雇を通知されていました。元従業員たちはホテルの閉鎖に反対し、解雇の撤回を求めましたが、話し合いは平行線のまま。明け渡し期限日の31日には、従業員としての地位確認を求める訴訟も起こしました。
その夜、金本さんのお店には、全てのテーブルが埋まるほどの客が訪れていました。しかし、この店でどんなにお客さんの笑顔があふれても、法律上は、あと数時間で店を明け渡さなくてはなりません。
「これだけお客さんが毎日いっぱい来てくれるんですよ。小林社長の個人的な借金を清算するために、なんで私たちが解雇されなきゃいけないのか」(従業員)
日付が変わり、店は明け渡し期限を迎えました。
Q.今は何をしている?
「明日のしょう油の補充。明日を信じてやってるんだよね。営業できるってね」(従業員)
期限を過ぎても会社側は、いまのところ新たな動きを見せていません。ただ会社側は、従業員の自主営業が続けば、不退去罪で警察に通報するとしています。
今や街頭での署名活動は、金本さんの日課になりました。
「これからが本番ですね。大変な山が(この先)来ると思うので。そのためにも、みんなで頑張っていこうと思っています」(金本正道さん)
(01日17:41)