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通信制高校に異業種参入 IT系、英会話学校など次々と(2/2ページ)

2008年11月1日15時3分

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 もともとは98年、通信制高校の生徒の勉強を支援する「サポート校」を始めたのがきっかけだった。「独自に高校をつくり、自分たちの生徒として卒業させたい」「高校生をしっかり把握していれば、内部進学のように系列の専門学校へつなげていける」。こんな考えがあったという。

 教育関連出版大手「中央出版」(名古屋市)は従来の業務では先行きが不透明と考え、新しい事業展開で05年、鹿児島県の屋久島に「屋久島おおぞら高校」をつくった。「今の学校教育に欠けたものを満たしたい」という思いもある。木の香りが漂い、鳥が羽を広げた形の校舎の建設費は約6億円。現在、全国に約3900人の生徒をもつまでになった。5千人強にまで生徒を増やせれば、経営のバランスが取れるという。

 千葉県多古町の「わせがく高校」は、早大受験で知られる早稲田予備校を運営する学校法人がつくった。守谷たつみ理事長は「浪人生激減の時代を迎え、次の経営戦略として考えた」。学校に通った後で早稲田予備校の授業を無料で受けられる特典もある。

 文部科学省によると、現在、通信制高校は全国で197校ある。全日制などに併設されているのが118、通信制だけの単立校が79。新規開校が続いているのは単立校で、5年前の2倍、10年前の4倍強に増えている。

 中学の不登校も高い数字で推移し、07年度は約10万5千人。01年度の11万2千人よりは少ないが、生徒の数自体が減っており、全生徒中の不登校の割合は2.91%と過去最高を更新した。少子化の中、教育関連では数少ない「ビジネスチャンス」ともいえる。

 ただし、通信制高校の専門誌「学びリンク」発行会社の山口教雄社長によると、全日制との併設型の私立の通信制ではこの4年で4校が募集停止になっているという。「生徒たちは、色々な『付加価値』は実際はあまり重視していない。傷ついた体験をした一人ひとりに寄り添う面倒見の良さ。この点を大切にする学校が結局は生き残っていくのではないか」という。(平岡妙子)

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