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防衛省内からも批判、給油法継続に影響も 空幕長論文(1/2ページ)

2008年11月1日3時1分

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写真航空観閲式に出席する田母神航空幕僚長(左手前)。右端は麻生首相=10月19日、茨城県小美玉市の航空自衛隊百里基地、林敏行撮影

写真自宅前で取材に応じる田母神航空幕僚長=31日夜、東京都目黒区、延与光貞撮影

 「日本が侵略国家というのはぬれぎぬ」。航空自衛隊の航空幕僚長が自らの論文で、過去の戦争を正当化していた。「我が国は日中戦争に引きずり込まれた被害者」と独自の歴史観を展開し、その内容は政府見解と大きく異なる。「猛将」とも評された空自トップは、公表されたその日に更迭された。

 田母神(たもがみ)俊雄氏は31日午後11時前、東京・目黒の自宅玄関先で報道陣のインタビューに短時間だけ応じた。論文を書いた真意などについて問われ、「来週落ち着いてからお話しさせていただきます」と繰り返した。「内容について変更することはないか」とただされると、「まあ、そうでしょうな」と答えた。

 更迭に至るまでの時間は早かった。

 田母神氏が懸賞論文で最優秀賞になったという資料がアパグループ側から防衛省の記者室に届けられたのは31日午後。報道陣からの問い合わせを受けた職員らがあわてて確認し、浜田防衛相や麻生首相にも伝わった。空自によると、「個人として」の投稿で、内部ではあまり知られていなかったが、防衛省官房長には伝えられていたという。

 夜、地元の千葉県から急きょ東京・市谷の防衛省に戻った浜田防衛相は、午後10時に報道陣の取材に応じ、硬い表情で「不適切」と繰り返した。「政府見解と明らかに異なる意見を公にするのは、航空幕僚長としてふさわしくない」。田母神氏には電話で更迭を伝え、「『立場として問題では』と話した」という。

 論文の感想を問われた防衛相は「皆さんの感じ方と同じ」と沈んだ口調で語った。

 田母神氏は防衛大卒業の「制服組」だ。71年に空自に入り、高射部隊を担当。その後は空幕防衛課業務計画班長や空幕装備部長、航空総隊司令官など主流を歩み、07年3月から空幕長に就いた。

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