老舗のホテルはどうなるのでしょうか?東京・品川駅前にある「京品ホテル」が経営悪化で廃業した問題で、従業員が解雇の撤回を求め、ホテルを経営していた会社を相手取り訴えを起こしました。
「皆さまの署名が私たちの力になります」。京品ホテルの前で署名を呼びかけていたのは、解雇された従業員たちです。
「書類上は今日引き渡しという形になってますけども、全国の皆さんが見ている中で、強制的に撤去というのは絶対ありえないことなんでね」(ホテルで働いていた金本正道さん)
実は1871年に創業したこの老舗ホテル、31日を最後に、別のホテル運営会社に建物ごと明け渡されることになっているのです。
「私が全部100%決めるんです」(京品実業 小林誠社長)
「自分が100%決めてきたから、60億の借金ができたんでしょう」(従業員)
ホテルを経営する会社側は、60億円に上る負債を理由に今月20日付けで廃業を決定、従業員全員の解雇を通知していました。
会社側から債権を買い取っていたのは、経営破綻したリーマン・ブラザーズの日本法人の子会社でした。
「100%みなさんのためを思って」(京品実業 小林誠社長)
「ためになっていません」(従業員)
従業員側は「ホテルとしては去年8000万円の利益が出ているのに、廃業するのはおかしい」などと訴え、自主営業を続けています。
ホテルの明け渡し期限の31日、従業員46人は従業員としての地位の確認と給料の支払いを求め、会社側を相手取り訴えを起こしました。
「(会社側から)何のコメントもないというのが、我々としては非常に不満であります。我々と誠実な話し合いを、行ってもらいたいと思っております」(元総支配人)
しかし、会社側は従業員側がホテルの不法占拠を続けた場合は、不退去罪で警察に通報するとしています。(31日16:14)