史上初の快挙ならず…でも胸張る岩村

(スポーツニッポン)

　【レイズ３−４フィリーズ】レイズの、史上初の前年勝率最低球団のワールドシリーズ制覇はならなかった。しかし、岩村は胸を張った。「自分たちはよくやった。いい経験、いいものを得た最高の年だった。堂々と地元に帰れると思う」。ポストシーズンを含めた１０５勝は３０球団最多。前年の６６勝から３９勝の上積みは、近代野球最多の躍進だった。

　再開直後の６回１死三塁でワースの飛球に懸命の背走も捕球できず、勝ち越しを許した。７回、同点としなお２死二塁では、この日唯一の打席で二塁内野安打を放つも、二塁走者が本塁を突き憤死した。「僕らの野球が一歩及ばなかった。フィリーズは本当に強かった」と潔く敗北を認めた。

　８月中旬の西海岸遠征で風邪をひき、今も完治せずにせき込む。そんな中で自己最多の１６８試合に出場。７８０打席は全メジャーリーガー最多となった。過去１０年間で９度の最下位というお荷物球団の先頭に立った岩村のモヒカン頭は、チームに、そして町に広がり反攻の象徴となった。「まだ若いチーム。悔しさが残って逆にいいとも思う。来年の鐘はもう鳴っている」。悔しさを力に変え、再びこの舞台に帰ってくることを誓った。