戦時中最大の言論弾圧事件とされる「横浜事件」で、横浜地裁は、元被告の遺族が申し立てた第4次再審請求を認め、再審の開始を決定しました。
「横浜事件」は太平洋戦争中、雑誌編集者らおよそ60人が「共産主義の宣伝となる論文を雑誌に掲載した」などとして逮捕され、治安維持法違反の罪に問われたものです。
元被告の遺族は、「論文は共産主義を宣伝するものではない」などと無罪を主張し、裁判のやり直しを請求していました。
これについて横浜地裁は31日、拷問でうその自白をしたとする元被告の口述書などを「無罪を言い渡すべき新しい証拠」と認定、「有罪判決の証拠は自白だけで、事実認定が揺らぐ」として、再審の開始を決定しました。
「第1次から第4次再審請求を支援してくれた皆さんに、再審開始決定を報告できてうれしい」(元被告の遺族)
横浜事件をめぐっては、3次請求で初めて再審が認められましたが、有罪、無罪を判断せずに審理を打ち切る「免訴」が、今年3月、最高裁で確定しています。(31日11:41)