サブカテゴリー

“毒ガスの元凶”あの東横イン前社長逮捕

5月28日、地下室から硫化水素が発生した東横イン松江駅前
5月28日、地下室から硫化水素が発生した東横イン松江駅前
Photo By 共同

 松江市のホテル「東横イン松江駅前」で5月、地下室から硫化水素が発生し8人が手当てを受けた騒ぎで、島根県警は29日、廃棄物処理法違反(不法投棄)容疑で、東横イン(東京)の創業者で実質的オーナーの前社長西田憲正容疑者(62)=東京都港区=を逮捕した。同容疑者は06年の同ホテルの不正改造発覚時の会見で「やってしまったことは仕方ない」などと開き直りともとれる発言を繰り返し批判を浴びていた。

 調べでは、東横インの系列会社「東横システム電建」の会長を兼務していた西田容疑者は、ホテルの新築工事中だった04年10月から12月にかけ同社の元副社長ら2人に不法投棄を容認する指示を出し、ホテル地下にある配管室に石こうボードなどの建築廃材計約30トンを投棄させた疑い。配管室で石こうボードが雨水に反応し、今年5月28日、致死量を超える濃度の硫化水素が発生、隣接するビルにいた女性らが頭痛などを訴え、病院で手当てを受けた。

 騒動をめぐり、東横システム電建の元副社長らが同法違反容疑で逮捕、起訴され、「(処分費用の)経費削減のためだった」と説明。その後、西田容疑者の関与を認める供述が得られ、県警が捜査を進めていた。また、系列会社社員が西田容疑者から建築廃材を投棄するよう直接指示されたと話していることも判明。

 逮捕された西田容疑者は「投棄に同意した」と容疑事実を認めている。

 東横インでは06年1月、身体障害者用の設備や駐車場を不正改造した問題が発覚。社長だった西田容疑者は会見で「やったことは仕方ない」と居直り、「身障者用客室を造っても、年に1、2人しか来なくて、一般の人には使い勝手が悪い」、「時速60キロで走るところを67〜68キロで走ってもまあいいか、と思っていたのは事実。警察に捕まったらしようがない」などと問題発言を連発し、批判の嵐にさらされた。

 猛反発を受けた西田容疑者はその後態度を一転、身体障害者団体や国土交通省を訪れ、平身低頭の謝罪を繰り返した。不正改造を調査した国交省を訪れた時は、「自分が上等な人間と思っていたことが悔しくてしようがない」と涙をぬぐった。なお、この「松江駅前」も不正改造していた。

 西田容疑者は06年5月に社長を退任し、会長に就任。今年9月に会長も退任している。

[ 2008年10月30日 ]

ニュース

クイックアクセス

スポニチ てれびぃ

スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲