放置自転車台数が全国最悪の大阪市は23日、来年秋をめどに繁華街のほぼ全域で路上駐輪を禁止するなどキタとミナミで対策を強化すると発表した。平松邦夫市長は「大阪の玄関口をきれいにするため」と理解を求めるが、両地域では放置自転車2万台に対し、市が整備した駐輪場はわずか950台分。利用者の理解を得られるか、議論となりそうだ。
キタでは駐輪禁止区域を現在のJR大阪駅・茶屋町周辺から北新地や堂島周辺に拡大。ミナミでは幹線道路や南海難波駅周辺に限定された区域を道頓堀川や心斎橋など周辺エリア一帯に広げる構想という。また、現在の禁止区域で毎月1、2回だった撤去を早ければ今年12月から4、5回に強化。スーパーマーケットなど一定規模以上の施設に駐輪場整備を義務づける条例も検討しており、地元商店街や町会に駐輪施設整備や従業員の利用自粛などを求める。
市によると、昨年10月の調査で放置自転車は5万371台で、2位の横浜市(2万4707台)の2倍以上。今年度は撤去に約10億円の予算を投入しているが、いたちごっこが続いている。
平松市長は「駐輪場整備もせずに、取り締まりだけ強化するのはどうかという声もあるだろうが、それを思ったら本当にきれいな街はできない」と話した。【田中龍士】
毎日新聞 2008年10月24日 地方版