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米軍がシリア領内攻撃か 8人死亡と国営シリア・アラブ通信
このニュースのトピックス:紛争・クーデター・革命
【中東支局】シリア東部のイラクとの国境に近い地区に米軍のヘリコプターが民家を襲撃し、住民8人が死亡したと、ロイター通信は26日、シリア国営通信の報道として伝えた。イラク治安当局者は住民8人の殺害を確認したが、イラク西部に展開している米軍の報道官はイラク領内の軍事行動との関係を否定した。
国営シリア・アラブ通信が報じた目撃証言では、現地時間の26日午後5時ごろ、イラクとの国境から7キロ離れた村に米軍のヘリコプター数機が降下し、建築中の民家を銃撃、民家はほぼ完全に破壊され、4人の子供を含む計8人の住民が死亡した。ヘリはイラク側へ飛び去ったという。
シリア政府高官は米軍による侵略行為を非難し、シリア外務省は26日、駐シリア米国大使と同イラク大使を呼んで抗議した。米国防総省の報道官はロイター通信に、攻撃に関する情報はないが、さらに情報の有無を確認すると語った。ブッシュ米大統領の報道官はコメントしていない。
シリア領空を侵犯して米軍が攻撃するのは極めて異例の事態で、報道が事実かどうかは不明だ。ただ、シリアからイラクへの武装勢力流入をシリア政府が放置していると米国とイラクの両政府は非難してきた。襲撃場所はシリアとイラクの間を行き来する主要地点の近くでもあることから、民家を武装勢力の拠点とみて襲撃した可能性はある。
ある米軍当局者はAP通信に匿名で、国際テロ組織のアルカーイダと関係のある武装戦闘員をシリアからイラクに送り込む組織を米軍の特殊部隊が襲撃したと語った。ただ、国営シリア・アラブ通信は標的は国境付近の農場だったと報道。誤って民家を攻撃した恐れも指摘されている。