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【主張】日印首脳会談 「最大の民主国」と連携を

2008.10.27 03:20
このニュースのトピックス主張

 麻生太郎首相は訪日したインドのシン首相との首脳会談で安全保障協力共同宣言に署名し、安保、経済、環境、エネルギーなど幅広い分野で両国の戦略的協調を進めることになった。

 日本が米国以外の国と安保協力を宣言するのは、日豪安保協力共同宣言(昨年3月)以来2カ国目だ。中国とともにアジアで台頭を続けるインドと戦略的重要性を認め合う意義がある。

 とくに首脳の年次訪問や外務・防衛・エネルギーの閣僚対話などの枠組みを通じ、シーレーンの安全、テロ対策、平和構築などの分野で恒常的な協力体制ができたことは今後の重要な成果だ。

 人口11億人のインドは「世界最大の民主主義国」とも呼ばれ、政治体制、文化、市場経済などの面でも日本人になじみやすい。同時に発表された共同声明は「基本的な価値と利益の共有」を掲げ、地域と世界で日印のグローバルな協力を促進するとしている。

 中国に次ぐ巨大市場に対する日本のビジネスや投資の期待も高まっている。首都ニューデリーとムンバイを結ぶ産業大動脈構想の協力合意を含めて、経済・安保の両面でバランスのとれた関係が進むことを期待していいだろう。

 インドは核拡散防止条約(NPT)に加盟しておらず、今回はインドが求める原子力分野の協力に踏み込めなかった。両国が期待した経済連携協定(EPA)の早期妥結も今後の課題となった。核不拡散は日本の重要な課題で、インドには核実験モラトリアム堅持とNPT早期加盟を働きかけていく必要がある。日印は今後の対話を生かして、これらの解決に力を注いでもらいたい。

 日印関係は2000年の森喜朗元首相訪印以後、3年前の小泉純一郎、昨年夏の安倍晋三の首相訪問(当時)を経て深まった。麻生首相も外相時代の「自由と繁栄の弧」構想などで日米同盟と豪印の4カ国の連携を志向してきた。

 日米、日豪、日印の連携は、アジア太平洋地域の平和、安全、繁栄をめざした重層的な協調と協力の輪がインド洋にも広がっていくことを意味するものだ。

 中国はこうした方向を警戒するかもしれないが、日印首脳は共同会見で「第三国を狙ったものではない」と強調している。中国も無用な疑念を持つことなく、むしろ民主主義国同士ならではの協調の広がりにならってほしい。

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