ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

教員採用取り消された臨時講師、大分県教委提訴の意向

 大分県の教員採用試験を巡り、点数改ざんによって不正に合格したとされ、採用を取り消された小学校臨時講師の男性(23)が「身に覚えのない不正を理由に採用を取り消され、精神的苦痛を受けた」などとして、県教委を相手取り、大分地裁に損害賠償請求訴訟を起こす意向を固めたことが分かった。

 男性や代理人を務める「おおいた市民オンブズマン」の瀬戸久夫弁護士によると、男性は大分大4年の時に2008年度の小学校教員採用試験に合格し、今年4月から県内の小学校に勤務した。しかし、県教委が点数改ざんに使われたとされるパソコンデータを解析した結果、不正合格者21人の1人とされ、9月に採用取り消し処分を受けた。現在は同じ小学校に臨時講師として勤務している。

 男性は口利きをした人物名など不正の経緯について、県教委からいっさい説明されずに処分を下されたといい、読売新聞の取材に「何も知らされないまま一方的に『不正合格者』とレッテルを張られた。県教委の責任も明らかにし、不正がどのように行われたのか、裁判を通じて本当のことを知りたい」と話した。

 瀬戸弁護士は「訴訟によって口利きルートの解明に結びつけたい」と強調。今後、賠償請求額などを決め、採用取り消し対象とされたほかの教員らについても、相談を受け付けるという。

2008年10月26日  読売新聞)
現在位置は
です