今月17日、高松高裁であった落雷訴訟の差し戻し控訴審で勝訴した元土佐高校サッカー部の北村光寿さん(28)らが27日、高知市内で勝利判決報告会を開いた。母親のみずほさん(56)は「皆さんの運動があったから認めてもらえました」と感謝の気持ちを語った。
報告会では、弁護団が「課外クラブ活動において、学校側には生徒への高度の安全配慮義務があると認められた」などと判決の意義や概要を説明。約50人の出席者からは「勇気をもらった」「この判決は国に残る大きな財産」といった声が聞かれた。
光寿さんは照れてあいさつを断ったが、会場は歓声と温かい拍手に包まれた。光寿さんは小さな声で「ありがとうございました」と話していた。
判決は「事故を予見すべき注意義務を怠り、回避の措置を取らずに事故に遭わせた」として土佐高と大会を主催した高槻市体育協会(大阪府)に過失があったと認定。連帯して約3億700万円の損害賠償の支払いを命じた。今後、弁護団は上告期限の10月1日まで土佐高、高槻市体協と協議を続け、賠償の履行▽再発防止策の提示▽正式な謝罪--の3点を求めていくとしている。【千脇康平】
毎日新聞 2008年9月28日 地方版