サトウキビ畑に墜落した白い機体(左奥)と現場周囲を行き交う警察官や米軍関係者ら=25日午前8時50分、沖縄県名護市真喜屋
沖縄県名護市のサトウキビ畑に24日、米軍嘉手納基地(同県沖縄市など)の飛行同好会の軽飛行機が墜落、2人がけがをした事故で、県警は25日午後、航空危険行為処罰法違反の容疑で現場検証を始めた。あわせて、乗っていた同基地所属の米軍人4人から事情聴取し、原因の解明を進める。
日米地位協定に関する両国の合意議事録では「(日本側は)所在地のいかんを問わず米軍の財産については捜索、差し押さえ、または検証を行う権利を行使しない」とされている。今回の事故機は米軍の所有だったが、現場が基地の外だったことなどから、県警が米軍の同意を得たうえで検証に着手した。
また、沖縄県は25日、在沖米軍に対し「事故原因の徹底究明と公表、事故の再発防止と安全管理の徹底」を電話で要請した。要請は、在日米軍沖縄地域調整官と嘉手納基地に駐留する第18航空団司令官あてで、県は「一歩間違えれば大惨事につながりかねず、県民に大きな不安を与えるものだ」と指摘した。
墜落したのは、嘉手納基地の関係者がつくる同好会「嘉手納エアロクラブ」所属のセスナ172型機。24日午後2時ごろ嘉手納基地を出発し、鹿児島県の奄美空港まで飛行。同空港から嘉手納基地に戻る途中だった。