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九州新幹線 「麻生」欠陥認識し出荷、内部報告に記載(1/2ページ)

2008年10月24日11時45分

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 九州新幹線の高架橋に欠陥のあるパネル材料が使われていた問題で、販売元の株式会社麻生(旧・麻生セメント、福岡県飯塚市)は、パネルの欠陥を認識しながら出荷を続けていたとみられる。朝日新聞が入手した同社の内部報告書には「欠陥品」「開発当初、各種試験を怠った」などと記載されていた。新幹線を建設した鉄道・運輸機構(旧・日本鉄道建設公団)は23日、麻生側から事情を聴き、調査を始めた。

 麻生本社にはこの日、報道関係者が詰めかけた。同社経営支援本部の藤本昭・副本部長らが取材に対応。パネル材料「ASフォーム1型」がコンクリートから剥離(はくり)し、同社が補修工事をしたことは認めたが、具体的な経緯については「担当者が調査中」と繰り返した。

 藤本副本部長によると、九州新幹線向けには00年1月から販売された。鹿児島中央―新八代間の橋脚の9割に使われたという。その後、パネルの剥離・脱落が見つかり、同社は工事ができる個所については金具を打ち付けてパネルを固定するなどの補修工事をした。ただ、数%の個所については、金具を打つ空間が確保できないなどの理由で未補修のままとみられるといい、「具体的な場所や規模について調べている」と説明している。

 藤本副本部長は「出荷時は問題ないと判断していた。結果的にまずかった」と話した。だが、「(所感を述べるには)材料が不足している」としており、具体的な経緯については判明次第、改めて説明すると述べた。

 一方、九州新幹線を建設した鉄道・運輸機構は23日、九州新幹線建設局(福岡市)に麻生の担当者を呼び、事情を聴いた。内部資料の提出も受けたとみられる。同社の内部報告書には「初期のトラブルの原因分析を十分行わず、販売し続けた」とも記されていた。

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