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道頓堀の「名所」またひとつ…「極楽商店街」閉鎖へ (2/2ページ)
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「今の道頓堀は“シャッター通り”になりつつある。こんなことは道頓堀の歴史の中で初めてでは。大きなところが店をたたむと、街全体が寂しい印象になってしまう」。「道頓堀商店会」に加盟する「かに道楽中店」店長の宇田訓士さん(34)は肩を落とす。
道頓堀は江戸時代以降、芝居小屋「道頓堀五座」に象徴される上方芸能の中心として栄え、料亭がひしめき合う「大坂商人」の社交場だった。戦後も年間1億人とされる大阪への観光客の約6割が足を運ぶ観光地としてにぎわった。
だが、娯楽や食文化の多様化とともに芝居小屋や老舗料亭の撤退が続出。代わって風俗店やパチンコ店の進出が相次いでいる。道頓堀川をはさみ向かい合う宗右衛門町も江戸時代から続く花街だったが、バブル崩壊後、閉店した飲食店のあとに風俗店が乱立し、かつての風情はすっかり失われた。
ミナミの不動産業者は「『道頓堀』というブランドにひかれて東京資本の飲食店などが進出してくるが、意外にもうからないことが分かると、地元への愛着がないので撤退も早い。大阪以外の企業の進出が、空洞化という現実を招いてしまったのでは」と話している。