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慰安婦問題 漫画で解説
2008年10月25日
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「女子大生と学ぼう『慰安婦』問題」(手前)を作った神戸女学院大の学生たち=西宮市岡田山 |
旧日本軍の慰安婦問題について研究している神戸女学院大(西宮市岡田山)の学生が、イラストや吹きだしを使い、漫画仕立てにして問題をわかりやすく説明した本を出版した。中学の歴史教科書から「慰安婦」の記述が消え、授業で学ぶことが少なくなった中学、高校生たちを意識した作りになっている。
出版されたのは「女子大生と学ぼう『慰安婦』問題」(A5判、170ページ)。神戸女学院大の学生2人が、中学生の男女2人に慰安婦問題を解説するという設定で、登場人物が実際に韓国を訪問して慰安婦だった女性らの証言を聴くなどして理解を深めていく内容だ。
本の一節では、中学校の教科書で「従軍慰安婦」の記述が01年ごろから消えていったことを紹介。中学生の男の子が「教科書に書かれていることが歴史のすべてで全部正しいことだと思ってたよ。学校で教わらなかったら『慰安婦』っていう人たちがいたこと自体忘れられてしまうのに」と述べる場面もある。
本を作ったのは、石川康宏教授のゼミに所属する4年生14人。学生らは07年春から慰安婦問題を研究し、07年9月には韓国を訪問して慰安婦だった女性から実際に話を聴くなどした。「近現代について中学、高校で学ぶ歴史がいかに限られたものだったかと実感した」という。
昨年12月ごろから本づくりに取りかかった。「文字ばかりでは読み始めてもらえないかもしれない」と、わかりやすさをこころがけた。
考え方を押しつけないように配慮し、本の後半には、中学生2人が「日本に都合の悪いことをどう伝えるべきか」という点で意見を異にする場面もある。2人のやりとりを聴いていた大学生は「どっちの意見がいい、ということではなくそれぞれが事実を知った上でしっかり考えることがまず大切」と説いている。
副ゼミ長でイラストも担当した山口真実さん(21)は「仲間と話し合いながら決めた文章は、従軍慰安婦問題を勉強してきた私たちが伝えたい思い。中学生や高校生だけではなく、親の世代の人たちにも読んでほしい」と話している。
本は1200円。問い合わせは発行元の日本機関紙出版センター(06・6465・1254)へ。
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