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誹謗中傷なんのその 各政党動画でアピール

 次期衆院選をにらみ自民、民主、共産、社民の各党がインターネットの人気サイト「ニコニコ動画」に党首の名を冠した公式ページを相次ぎ開設、若者世代への浸透を狙っている。動画にはリアルタイムでコメントを書き込めるだけに誹謗(ひぼう)中傷が絶えないが、政党側は「マイナス面より視聴者が共鳴する意義の方が大きい」(共産党宣伝局)とPR効果に期待。ネット空間での支持獲得競争に拍車が掛かっている。

 自民党が20日に開設した「麻生自民党チャンネル」。満面に笑みを浮かべた首相が「麻生太郎です。ニコニコ動画をご覧のみなさん、こんにちは」と話し掛ける。首相の顔の上には「お金持ち」「早く解散しろ」「日本を救え」「戦う総理」といったコメントが字幕のように流れるが、党関係者は「大多数は好意的」と受け止めている。

 開設の翌日夜までに再生回数は15万4000回に達し、一時は総合ランキングでも堂々のトップに立った。自民党は「これほどの反響を呼ぶとは想像していなかった」(マルチメディア局)と首相の「オタク人気」に驚きを隠さない。

 民主党は9月下旬、他党に先駆けて公式ページ「小沢一郎チャンネル」を開設。小沢氏が「みんながいろんな意見を(動画上で)交換しあうのはいいことじゃないか」と淡々と語る独占インタビュー動画の再生回数は7万7000回を突破した。

 「政権取ってください」といった好意的コメントより「党首討論を逃げるな」「日教組と手を切ってください」などの批判が目立つものの、民主党は「関心が集まっており、手応えを感じる」(広報委員会)と強気だ。

 共産党の「志位和夫チャンネル」も負けていない。派遣労働者問題を国会で追及する志位委員長の動画は、再生数が約6万2000回。「まともな議員だ」などと共感を示すコメントが非難の声を圧倒しており、党機関紙「しんぶん赤旗」は19日付紙面の1面トップで「インターネット上にCGJ(志位グッドジョブ=よくやった)の3文字が再び飛び交っています」とアピールした。

 社民党の「福島みずほチャンネル」は、日雇い派遣グッドウィル(廃業)に対する抗議行動の様子を労働歌「インターナショナル」に乗せて公開した。再生数は約2万2000回。動画数が少ないこともあり、苦戦を強いられている。

 一方、公明党はニコニコ動画には公式ページを開設せず、コメント機能のない一般動画サイトを通じた広報に力を入れる。党関係者は「無責任な暴言と『言論の自由』をはき違えた一部の層に、政治がおもねるのはどうか」と他党の姿勢を疑問視している。

[ 2008年10月24日 08:54 ]

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