イスラマバード――パキスタン軍筋などによると、同国北西部の政府直轄部族地域で23日、無人武装偵察機がイスラムの宗教学校にミサイルを2発撃ち込み、8人が死亡、6人が負傷した。米軍が遠隔操作した偵察機とみられる。
学校がある北ワジリスタン地区の村落は、アフガンの政権を追われたイスラム教強硬派勢力タリバーンのジャラルディン・ハッカニ指導者が支配しているとされ、学校には同指導者が関与しているとの情報もある。ミサイル攻撃を受けた際、校内に生徒はいなかったという。
同指導者は1980年代、旧ソ連のアフガン侵攻に反発し、ムジャヒディン(イスラム戦士)としてゲリラ闘争に参加。現在は、アフガン駐留米軍との戦闘に加わっているとされる。今年9月にも自宅、宗教学校にミサイルが撃ち込まれ、妻、妹などを失ったが、自らは無事だった。
アフガン駐留米軍は最近、パキスタン北西部に潜伏、活動するアルカイダ系やタリバーン系の組織、幹部掃討を目指し、無人武装偵察機によるミサイル攻撃を加速させている。地上部隊をパキスタン領内に派遣、作戦を遂行したこともあり、パキスタン政府が主権侵害として反発している。