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九州新幹線高架に欠陥材 麻生グループ会社が販売(2/2ページ)

2008年10月23日15時1分

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図九州新幹線の高架橋の図

写真開業直後の九州新幹線=04年3月13日、鹿児島市

図九州新幹線・鹿児島ルートの図

 同社は02年、事業そのものから撤退し、ASフォーム型の製造をとりやめる方針を決めた。

 鉄道・運輸機構によると、パネルの剥離があるとその都度、業者の側が補修していたといい、その総数は集計していないという。開業直前の検査や監査の際にも15カ所で剥離を確認し、補修した。機構やJR九州によると、開業後は、剥離が新規に発生しているとの報告はないという。

 機構によると、剥離の原因について、同機構の担当者が麻生の担当者に問いただしたことがあったが、明確な返答はなかったという。同機構は、欠陥について報告を受けたことはなかったとしており、剥離の原因は建設会社による施工に問題があった可能性が高いと従来は考えていたという。

 02年10月に麻生社内で作成された報告書は一連の経緯について「ASフォーム型は欠陥品」「開発当初、各種試験を怠った」「初期のトラブルの原因分析を十分行わず、販売し続けた」と分析。当時麻生の担当専務だった中村正治(まさはる)監査役(65)は朝日新聞の取材に、「新製品をいろいろ改良しながらやっていったようだが、結果的には外れた。まずかった」と話している。

 麻生の担当者は「高いところなど、補修できないところがあった」と話している。中村監査役は「これから(不具合が)出たとしても、私どもが責任をとってきちっと対応する」と話している。

 麻生は、セメント製造や病院経営など幅広い事業を営み、ホームページによると、07年度のグループ総売上高は1380億円。01年に社名を「麻生セメント」から「麻生」に変更した。麻生太郎首相(68)の弟・泰(ゆたか)氏(62)が社長を務め、妻・千賀子(ちかこ)氏(58)が取締役に名を連ねる。麻生首相も政界に入る79年まで社長を務めていた。

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