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九州新幹線高架に欠陥材 麻生グループ会社が販売(1/2ページ)

2008年10月23日15時1分

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図九州新幹線の高架橋の図

写真開業直後の九州新幹線=04年3月13日、鹿児島市

図九州新幹線・鹿児島ルートの図

 鹿児島市と熊本県八代(やつしろ)市を結んで04年に開業した九州新幹線で、欠陥のあるパネル材料が高架橋の建設に使われていたことが関係者の話でわかった。販売元は開業前に欠陥の補修にあたったが、一部の高架橋は未補修のまま放置されているという。

 九州新幹線を建設した鉄道・運輸機構(旧・日本鉄道建設公団)は「製品に欠陥があるという説明は聞いていない」としており、販売元の株式会社麻生(旧・麻生セメント、福岡県飯塚市)から改めて事情を聴く。

 欠陥があったのは、麻生が販売した「ASフォーム型」。高架橋の橋脚の上に載る橋げたをつくる際、コンクリートを流し込む型枠の底面部分の「埋設型枠」として使われている。施工後も残り、橋げたのコンクリートと一体化しなければならないが、ASフォーム型は接着力が弱く、コンクリートから剥離(はくり)してしまう欠陥があったという。

 パネルがはがれたまま放置されると、鉄筋コンクリートの劣化を速めるなど耐久性の問題点を指摘する専門家がいる。はがれたパネルの一部が落下して、下にいる人を傷つける恐れを心配する声もある。

 朝日新聞が入手した麻生の社内報告書によると、ASフォーム型は、樹脂などでできた厚さ1センチの板。同社などが開発し、98年に販売を始めた。下水処理場の池や小学校のプールの床などに使われたが、はがれて浮き上がってしまったり、外れてしまったりするトラブルが続発した。社内には「こんなことでは売れない」と出荷停止を求める意見もあったが、00年には九州新幹線への出荷が始まった。

 九州新幹線では、鹿児島中央―新八代間の高架橋の相当数で、鉄建公団から工事を請け負った建設会社がASフォーム型を採用した。ところが、01年、施工中の高架橋で、パネルが橋げたから剥離・脱落していたのが見つかった。このため、同社は、工事可能な高架橋については金具を打ち付けて物理的にパネルを固定するなどの工事を行った。

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