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「ガス版OPEC」創設へ前進 露、イラン、カタール合意 (1/2ページ)
【モスクワ=遠藤良介】天然ガスの埋蔵量で世界1〜3位のロシア、イラン、カタールの3カ国は21日、石油輸出国機構(OPEC)と同様に生産量や価格を調整する「ガス版OPEC」とも言えるカルテル組織を形成することで事実上、合意した。3カ国の埋蔵量は世界の6割近くを占め、思惑通りに参加国が広がれば世界埋蔵量の7割以上を握る可能性がある。強硬な「資源外交」を展開するロシアと反米のイランを中心とした結束に、ガスを輸入に頼る欧州などが警戒を強めるのは必至だ。
インタファクス通信によると、露国営天然ガス企業「ガスプロム」のミレル社長は21日、テヘランでイランのノーザリ石油相、カタールのアティーヤ・エネルギー産業相と会談、3カ国が年3〜4回の定期協議の場を設けることで合意した。また、イランのノーザリ石油相は3カ国が「ガス版OPECの創設に真剣に取り組んでいく」とも明言した。
3カ国は2001年から存在する非公式組織「ガス輸出国フォーラム」(GECF)を常設組織に発展させることを念頭にしており、同通信は来月18日にモスクワで開かれる会合で何らかの規約が採択される見通しだと伝えた。ガスプロムのミレル社長も、「ガス版OPEC」の表現は避けながら、3カ国が「探査から採掘、輸送、共同市場調査まで価格を形成する過程の全体」について緊密に連携する考えを示している。