百貨店大手とコンビニエンスストア大手の08年8月中間決算が14日出そろった。百貨店は急激な消費マインドの冷え込みで売り上げが低迷し、松坂屋を除く全社が減収減益。一方、コンビニはたばこ自動販売機用成人識別ICカード「taspo(タスポ)」が導入され、喫煙者の来店客が急増したことから売り上げが増加した。システム開発の費用などがかさみ減益となったミニストップを除き、増収増益を確保した。
百貨店の不振の最大の要因は、物価高や株安の影響で衣料品や宝飾品、時計などの利益率の高い高額品の売り上げが落ち込んだこと。米国発の金融危機や世界的な株安の影響で「消費の厳冬期は長く続く」(奥田務・J・フロントリテイリング社長)との見方が強い。
一方、コンビニはタスポ効果で、喫煙者がたばこのついでに缶入り飲料や弁当などを買っていく「ついで買い」が急増して、売り上げを底上げした。セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの3社が営業利益段階で過去最高を更新した。【田畑悦郎、森禎行】
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◆大手百貨店5社の08年8月中間連結決算◆
売上高 営業利益
高島屋 4882(▼3.2) 140(▼14.7)
J・フロントリテイリング
大丸 2272(▼1.5) 50(▼38.4)
松坂屋 1314(▼4.9) 37( 53.2)
ミレニアムリテイリング
そごう 2408(▼1.8) 51(▼22.4)
西武百貨店 2246(▼2.4) 56(▼ 8.6)
※単位・億円。カッコ内は前年同期比増減率%、▼はマイナス。大丸、松坂屋、そごう、西武は単体。9月中間期の三越伊勢丹ホールディングスを除く
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◆コンビニ大手5社の08年8月中間単体決算◆
全店売上高 営業利益
セブン-イレブン 13869( 6.2) 963( 8.0)
ローソン 7633( 6.6) 275(11.1)
ファミリーマート 6240(10.2) 202(13.6)
サークルKサンクス 4520( 2.2) 137(16.7)
ミニストップ 1543( 6.1) 45(▼4.5)
※単位・億円、カッコ内は前年同期比伸び率%。▼はマイナス
毎日新聞 2008年10月15日 東京朝刊