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【社会】

買い注文殺到のネット証券 翌日夜に売買成立通知

2008年10月22日 朝刊

 野村ホールディングス傘下のネット証券「ジョインベスト証券」(東京都港区)で、日経平均株価が急騰した十四日、事務処理が滞り、注文を出した一部顧客への約定結果を翌日の取引時間終了後に通知していたことがわかった。

 買い注文が成立しなかったと誤認しかねない状況だったため顧客の苦情が相次ぎ、金融庁が実態把握に乗り出した。

 トラブルが起きた十四日は、平均株価が一一七一円高と過去最大の上昇率(14・15%)を記録。東証一部上場銘柄の約三分の一が値幅制限いっぱいのストップ高となった。

 同社によると、当日は朝から買い注文が殺到。処理作業が追いつかず、売買注文を受けた当日中に行うべき投資家への約定結果の通知が、十五日午後十時まで遅れた。

 十四日は、顧客が注文状況を確認する画面では売買の不成立を示す「失効」との表示が出て、十五日夜以降に通知を受けて驚いた人もいたという。

 平均株価は十六日、下げ幅一〇〇〇円超と再び暴落したことから、同社には約六百五十件の苦情や問い合わせがあったという。

 ストップ高の銘柄に買い注文を出した男性投資家は「十五日に売却するつもりで買い注文を出したのに、通知に気づいたのは十六日。結局損切りした」という。

 同社は顧客に対し「申し訳ない」と述べるとともに、再発防止のため人員配置の見直しなどを実施した。

 

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