フィリーズV赤鬼の目に涙/プレーオフ
<ナ優勝シリーズ:ドジャース1-5フィリーズ>◇第5戦◇15日(日本時間16日)◇ドジャースタジアム
【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)=四竈衛、佐藤直子通信員】ヤクルト、近鉄でプレー経験がある「赤鬼」チャーリー・マニエル監督(64)率いるフィリーズがドジャースを4勝1敗で下し、93年以来のワールドシリーズ出場を決めた。代打出場の田口壮外野手(39)は二ゴロに倒れたが、この5年で3度目のワールドシリーズ出場と“シリーズ男”となった。
マニエル監督が目を潤ませた。今季セーブ率100%の守護神リッジが最終打者を捕邪飛に抑えると、ナインが一気にグラウンドへ飛び出した。マニエル監督はベンチで歓喜の選手をしばらく見つめ、巨体を揺らしながら歓喜の輪に加わった。「天国の母もこの勝利を見ていてくれたはずだ」と感極まった。
悲しみを乗り越えてのリーグ優勝だ。10日に実母死去の訃報(ふほう)を受け「野球を続けることが母の遺志」と戦いを続けた。涙をこらえた赤鬼の闘志は、確実にチームに伝わった。3安打の活躍を見せた主砲ハワードは「監督のためにも優勝したかった」。19歳で父を亡くし、11人兄弟を女手1つで育て上げた母は特別な存在だった。最近まで週2回は必ず電話で近況報告。兄弟で3番目のマニエルは一家にとって父親のような存在で、亡き母も頼りにしていた。
監督の資質となるリーダーシップは、自然と身に付いた。「地元フィラデルフィアのための勝利だ」と喜びを爆発させた。球団史上6度目のリーグ優勝は、15年間待ちわびた地元ファンにささげた。そして17日に故郷バージニアで行われる葬儀で母の墓前にも報告するが、「もう1つ大きなステップが残っている。それを乗り越えた時、大パレードで街を練り歩くぞ」と80年以来2度目の世界一へ決意を示した。
ここ5年で3度目のワールドシリーズ出場を決めた田口は「シャンパンファイトは何度してもいいものですね」と笑顔を見せた。今シリーズでは無安打に終わったが、「次はしっかり働きますよ。ほとんど完成されたチームだけど、経験を積んで成長している。怖いのはここで満足しないこと。それだけです」。“ワールドシリーズ男”らしく経験を踏まえ、喜びの中でも気を引き締めていた。
[2008年10月17日8時41分 紙面から]
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