中国製冷凍インゲンから高濃度の農薬が検出された。食の安全・安心を脅かす事案が止まらない。
姫路市内の小学校に給食の取材に訪れた際、校長に「たまには子どもたちと一緒に食べるのですか」と聞いた。「そうしたいのだが、いつも先に一人で食べる。毒味ですな」と校長は苦笑いした。「検食」というのだそうだ。文科省の指示で10年以上前から全国の学校給食は、教職員が子どもに先立って検食することになっているという。
病院給食についても厚労省が義務づけている。先日、ある公立病院でメラミン入りのクリームパンが提供されていたことがわかった。院内調査で食べた患者もいたが、検食用1個は手つかず。検食担当の医師が甘い物嫌いだったからという。食べてもメラミン混入を識別はできなかっただろう。「毒味の怠慢」と責めるのは酷か。【石川勝己】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2008年10月19日 地方版