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【埼玉】

1146億円 財源不足 来年度県予算 04年度以降、初の“大台”

2008年10月15日

 県の来年度予算編成に当たり、財政課が歳入の見込みと各部局からの予算要求に基づく歳出見込みを突き合わせたところ、現時点で財源不足が千百四十六億円に上る見通しであることが十四日、分かった。予算編成方針策定時に収支不足の算定を始めた二〇〇四年度以降、不足額が一千億円を超えたのは初めて。

 歳入見込みは一兆二千百億円で前年同期比1・4%の減少。法人二税を中心に税収が悪化、現時点での県税収入見込みは同6・3%減。歳出は、一兆三千二百四十六億円と同1・0%の増。高齢化に伴い扶助費が同6・1%増加、団塊世代の職員の退職手当などを中心に給与費も同0・8%増となった。

 県は「徹底して事務事業を見直す」とするが、本年度予算でも、財源不足は昨秋の見込みから当初予算まで三百十八億円を圧縮したものの不足は埋まらず、基金を三百六十億円取り崩し、県債を百七十億円発行して収支を合わせており、来年度も基金取り崩しや県債発行高増加の可能性も高まっている。

 現時点での基金残高は四百十八億円程度の見通し。県債残高の圧縮を目指すとする上田清司知事も「数字ありきでは県民生活に迷惑がかかる。厳しければやむを得ざる選択もある」と県債発行の増加に含みを残した。 (萩原誠)

 

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