ノーベル賞の下村さん在籍　住吉高、驚きと喜び　生徒拍手「大きな誇り」

　「下村博士は住吉中に学んだ大先輩。心からお祝い申し上げたい」。始業前の午前８時半、中野悦次校長が校内放送を通じて下村さんの受賞を報告。下村さんの在籍を知らなかった生徒は多かったが、偉大な先輩に対して笑顔で大きな拍手を送った。

　同校では８日夜、下村さんの受賞の知らせを受けて、急遽（きゅうきょ）住吉中学時代の名簿や昭和１７〜１９年度の集合写真、同級生らの情報を集めて下村さんが在籍していたことを確認した。

　同校は大正１１年創立の進学校。平成１９年度からは文部科学省が理数系教育の向上を目指すスーパーサイエンスハイスクール（ＳＳＨ）に指定されている。昨年は大阪大大学院で、下村さんが発見した緑色蛍光タンパク質（ＧＦＰ）を使って、タンパク質の変性について実験したばかり。ただ当時はＧＦＰの発見者が下村さんだったことなどは紹介されていなかったという。

　この実験に参加していた総合科学科２年の野口佳澄さん（１６）は「あのときはクラゲからタンパク質をとるなんてすごいなあと思っていたけれど、まさか住高の先輩だったとは」と驚いた様子。

　また、１９人が在籍するサイエンス部の部長で３年の黒米雄次さん（１８）は「今日まで住高の先輩だとは知りませんでしたが、自慢できる先輩。僕も大学では生物化学を専攻するつもりなのでがんばりたい」と下村さんの受賞を喜んだ。同校では今後は、下村さんの業績を紹介しながら引き続き、ＧＦＰについて学ぶ予定という。

　中野校長は「言葉にできないほどのうれしさ。ＳＳＨに指定され、より理数系に力を注いでいる中で、下村さんのノーベル賞受賞という業績は、生徒たちの励みにもなるし、大きな誇りです」と話していた。