【ワシントン草野和彦】米軍が来年1月以降もイラクに駐留するための地位協定交渉について、米国防総省のモレル報道官は16日、イラクとの間で協定草案が作成されたと語った。ロイター通信によると、2011年までに米軍の戦闘部隊が撤退することや、任務以外での米兵の刑事免責を認めないなどとする内容という。
国連安保理決議に基づく米軍のイラク駐留は、今年末で期限切れとなり、地位協定がそれ以降の駐留の根拠となる。撤退時期を明記することは、治安回復などの状況次第という条件を付けることで折り合っていたが、米兵の刑事免責を巡り、交渉が長引いていた。
イラク政府広報官によると、米兵が任務に就いていないときや、米軍基地外で行った犯罪行為は、両国の合意を得た上で、イラク国内法で裁かれることになった。だが、イラク側では今後、議会の承認などを巡る曲折が予想され、モレル報道官も「最終案ではない」と強調している。
毎日新聞 2008年10月17日 23時22分(最終更新 10月18日 1時43分)