★戸田の一般質問1:第二京阪道路による北巣本保育園の畑取り上げ・環境悪化問題
1:第二京阪道路による北巣本保育園の畑の取り上げと環境悪化について 伝統ある民間保育園である北巣本保育園の畑が、第二京阪道路建設のために強制収容 にかけられ、所有者の松本先生が知らないうちに一方的に西日本高速道路に所有権を移転 された上に、「農地でなくなったから」として突如として税や利子2200万円超を支払えと 請求される、という事件が起こっています。 この畑の問題は、今年2月と6月に朝日放送ムーブの番組で各10数分に渡って取り上げられ、全国的に大きな反響を呼び、私のHPにも動画アップしました。 昨日、松本先生が長文の訴え文とこのような多くの資料を市長に提出したところなので、この「訴え」を読み上げた上で、質問を行ないます。 園部一成 門真市長に訴える 第二京阪道路建設によってこども達の菜園を奪わないで 2008年6月23日 社会福祉法人 北巣本福祉会・北巣本保育園:理事 松本剛一 抜粋・要約しながら読み上げます。 1:ふるさと門真と私 私は、長男の体質改善のため、04年4月から住民票上の住所は、奈良県山添村となっていますが、門真で育ち暮してきました。 2:園児の菜園を奪わないで 園児らは、小さな一粒の種が芽を出し、実を結ぶまでの姿を目の当たりにし、自らが育てた野菜を食するという経験をしながら、生態系の不思議さや食べ物のありがたみなどを学んでいるのです。 3:ノガミ様として祀られてきた神聖な土地の破壊をやめて この畑およびその周辺一帯は、1550年頃に、松本の先祖である与太郎右衛門が個人の資力を投げうって開墾したものです。 4:何の必要性もないどころか、それが出来たら市道北巣本町3号線がぬけ道利用されてしまうランプ・副道は中止にして
この副道は今現在までなんら道路・通行もなかった所に計画されており、また寝屋川に阻まれて京都方面にはつながっておらず、むしろ大阪北道路からのランプと合流する事と
も併せて、クルマが住宅地の中の生活道路に流入する事で、生活妨害や交通事故が発生す ることは明らかです。 5:第二京阪道路の必要性 事業認定取消請求訴訟のなかで、・・・・ようやく西日本高速道路が、平成18年3月に 計画交通量を下方修正したことを認めました。 6:第二京阪建設は国道一号線の渋滞解消にはならない (これまで莫大な費用をかけて道路を作ってきたのに)国土交通省データでも、平成17 年度の平日混雑時旅行速度は平成11年度からわずか0.3km/h上昇したにすぎません。 7:杜撰(ずさん)すぎる環境対策 二酸化窒素に関し、広報かどま平成19年11月号をみると18年度の大気汚染の状況とし て、市役所局で0.046ppm、南局で0.045ppmとあり、環境基準のゾーン値である0.04〜
0.06ppmの上限値まで、あと0.014〜0.015ppmのワクしか残されていません。 8:不誠実な旧道路公団・西日本高速道路の対応 9:結論 要するに第二京阪という道路は、ふるさと門真から景観を奪い、街をまっぷたつに 分断し、市民に健康被害をもたらす公害道路なのです。 以上の「訴え」も踏まえて、9点質問します。 Q1: 北巣本保育園は、門真市の中でどのような位置と役割を持ってきた園か? この畑は園児の情操教育・食育教育にとってかけがいのないものとのことだが、民間保育園のことであっても、市内の保育環境の充実維持という観点で市はどう認識するか? Q2:この畑およびその周辺一帯の歴史が、門真市史にも記されており、ご神木のエノキとお地蔵様を有して、「野神様=農神様(ノガミ様)」として祀られてきた場所であることは事実か? Q3:門真市美しいまちづくり条例・規則では、このご神木のエノキは「保存樹」に指定される資格が有り、条例規則施行時から、指定されるべきだったのではないか?また、このエノキが環境省生物多様化センターのデータベースに「野神様のニレの木」として登録されているのは事実か? Q4:次の事は事実か? ・国側が第二京阪道の計画交通量を、当初計画交通量のわずか59%に下方修正したこと。 ・門真市の06年度の大気汚染の状況は二酸化窒素に関し、環境基準のゾーン値上限の0.06ppmまで、あとわずか0.014〜0.015ppmのワクしか残されていないこと。 ・今の環境アセスでは、健康へ悪影響を与えるPM2.5も、光化学オシキダントも調 査対象となっていないこと。 Q5:松本先生は保育園前と巣本交差点そばで大気測定をしており、環境基準値を超える二酸化窒素が50日間で4回測定され、第二京阪が供用されたら更なる悪化は必至とのことだが、測定方法等について市の知見は? Q6:第二京阪道関連で住民の要望などでルートや道幅などの設計変更になった例はどのようなものがあるか? Q7: 500m程度の距離に併走一般道の3つのランプ、その中央が畑を潰す本件ランプだが、設定のいきさつ、門真市としての必要性や地元合意はどうか? Q8:提訴中の地権者に意見陳述の機会を全く与えずに所有権変更を通知するのは通常の例と言えるか? Q9:今後、ランプ・副道予定地住民からの設置反対の声が起こるかも知れない。松本先生の「訴え」や資料をまずはじっくり検討し、先生から直に話しを聞くなどもして、より良き対応を市は考えるべきと思うが、どうか?
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【 木邨(きむら)都市建設事業部長による答弁 】
戸田議員ご質問のうち、第二京阪道路による北巣本保育園の畑の取り上げと環境悪化 について、私より御答弁申し上げます。 始めに、北巣本保育園の位置と役割についてであります。 北巣本保育園は、長年にわたり、市民の保育ニーズに応えるべく、待機児童解消や障害 児保育など本市の保育行政に寄与してこられたものと認識しております。 また、畑での食育等の必要性につきましては、園児が農作物の栽培、収穫などを行うこ とは、情操・食育の観点から意義あるものと認識しております。 次に、エノキの木と、保存樹の指定についてであります。 保存樹の指定につきましては、本市が『門真市の美観風致を維持するための樹木の保存 に関する規則』第3条に基づき、昭和61年4月、門真市全域において79本について、 保存樹の指定候補として承諾を求めたところ、当時33本の承諾が得られたものであります。 ご指摘の樹木は保存樹等の指定基準は満たしておりますが、当時保存樹として指定され ておりません。 なお、平成19年度末においての指定樹木は、17本となっております。 また、このエノキが、環境省生物多様性センターの巨樹・巨木林データベースに載っていることは承知しております。 次に、自動車交通量と二酸化窒素等の大気汚染物質の測定方法等についての、市の知見についてであります。 第二京阪道路の予測交通量につきましては、平成32年の最も交通量が多いと見込まれる時点で、約12万台前後であると、事業者より聞いております。 大気汚染の状況について、市では二酸化窒素等大気汚染物質について、昭和55年度より門真市役所局で、また、平成3年度より門真市南局で独自に測定を行っております。 平成18年度の両局の二酸化窒素濃度はご指摘の通りであります。 二酸化窒素の測定方法として確立されているのは公定法であり、1年間の測定結果を環境基準値と対比し評価することとなっております。 今回松本氏が測定されているのは、簡易法によるものであり、この測定方法による測定値をもって、一概に環境基準の評価をすることは困難なものがあります。 しかしながら、今回の測定値につきましては、今後、本市の環境行政の中で活用できればと考えております。 環境アセスの調査項目につきましては、対象事業等の種類、規模及び大気汚染物質の排出特性等を考慮して選定することとなっております。 ご質問の光化学オキシダントは環境基準に入っておりますが、PM2.5は現時点では入っておりません。 今後、国・府が地域の特性等を考慮して判断するものと理解しております。 次に、畑を通るランプの必要性や地元合意、また地元要望等で設計変更になった例についてであります。 第二京阪道路は国道1号の渋滞緩和を目的として昭和44年5月に都市計画決定され、 平成2年4月に都市計画の変更が行なわれたものでございますが、沿道は、既に市街化された地域が多いことや、緑が少ないことから、約20mの環境施設帯を設けるなど周辺地域への環境に配慮し、門真市域におきましては、築堤方式による設計がなされたものであります。 その後、特に門真市域は軟弱地盤であること、築堤方式では地域分断が起こりやすいこと等から、平成15年に現在のボックスカルバート方式に構造変更をしたものでございます。 従いまして、第二京阪道路のルートや幅員を変更した事例はございませんが、ボックス内の高さについて、沿道自治会等と協議して決定したもの、例えば、沖町東西線の大型車が通れないようにする為、ボックスの高さを3.0mにした経緯や、寝屋川右岸の管理用 道路のボックスの高さを4.0mにした経緯はございます。 なお、畑の部分に位置する、ランプにつきましては、事業者において、周辺住民の方々のアクセスを確保する為に設計されたものであると聞いております。 また、生活道路への抜け道の懸念につきましては、市は利便性との比較考量についての情報は持っておりませんが、今後事態を注視してまいりたいと考えております。 道路構造・環境影響等に関しての地元への周知につきましては、地元説明会等を通じて事業者から十分に説明がなされているものと考えております。 次に所有権変更の通知についてであります。 市といたしましては、第二京阪道路の用地取得に当たっては、出来る限り任意交渉による円満解決を図るよう、従前より事業者に要望して参りました。 事業者にあっても、平成15年より、任意による取得に最大限の努力をし、交渉を重ねられたものの、残念ながら用地の取得には至らず、昨年2月27日に大阪府収用委員会あてに、『土地収用法』に基づく裁決申請及び明渡裁決申立がなされました。 申請後は大阪府収用委員会において、5回の収用審理が行われたと聞いております。 松本氏と事業者との間の対応の問題については、市は詳細な情報を持ってはおりません。 市と致しましては、今後共、市民の安全確保や環境保全の為に、事業者に対し必要なことは申入れてまいりたく考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 (以上)
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