裕福な西欧出身の夫を希望する女性、タイで増加

2008年 10月 16日 19:35 JST
 
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 [バンコク 15日 ロイター] タイではここ20─30年間、長期的関係を築く相手として西欧諸国出身の男性を求める女性の数が増加している。

 メディア報道によると、バンコクのバンクラ地区では過去25年間、西欧出身の男性とタイ人女性カップルの婚姻の届け出が毎年10%のペースで伸び続けており、2006年にはそうしたカップルが全婚姻登録数の半分を占めた。

 タイ人女性のNokさん(37)は、地元の出会い系サイト「thaidarling.com」に「私の理想の相手は、大人で知的なバランスの取れた西欧系の男性。寛大で経済的に安定している人が希望」と書き込んでいる。映画「プリティ・ウーマン」に出演した米俳優のリチャード・ギア似の(西欧系)男性が好みと語るPawさん(32)は、「タイ人男性の嫌な点は、まるでチョウのようなところ。(交際中に)別の女性たちとも付き合ったり、恋人の女性を大切にしない」としている。

 西欧出身男性との交際を希望するタイ人女性1万6000人が登録する出会い系サイト「ThaiLoveLines.com」のジョセフ・オコナー氏は、「需要からするとサイトに登録するタイ人女性の数は5倍にもできるが、男女の比率を適性なレベルに保つため(そうはしていない)」と状況を説明した。

 <背景にはタイのアンバランスな男女比>

 こうした西欧系男性とタイ人女性の結びつきは、イサーンと呼ばれる同国で最も貧しい地域である東北部でさらに顕著になっている。

 タイ経済社会開発庁が行った2004年の調査によると、1万5000人以上のタイ人女性が西欧出身の男性との結婚を選択。東北部の全世帯の3分の1に西欧系男性の夫を持つ女性がいる計算だ。

 また2006年の調査によると、こうした女性たちの平均年齢は35歳である一方、男性側(ドイツ、英国、北欧諸国出身者が多い)の平均年齢は50歳だった。女性たちの70%以上には、タイ人男性との結婚歴があった。同調査はまた、こうした国際結婚の男性側の平均月収は6万バーツ(約18万円)で、同国の平均的な月収の7倍に相当するとしている。

 ウェブサイトknowphuket.comの運営者で、自身もタイ人女性と結婚したジム・スペルマン氏は「タイ人女性に西欧系の夫を望ませる主な要因として、経済的な安定性があることは疑いの余地がないだろう」と指摘。「特に貧しい農村部でそうした傾向がある」と語った。

 このほか、タイ人女性と西欧出身の男性との結婚が増加する背景の1つには、タイ人男性が見つけにくいという問題もある。

 英字紙バンコク・ポストによると、タイでは女性の人口が男性の人口を100万人上回っており、この「ジェンダー・ギャップ(男女間の格差)」は年々拡大してきている。

(ロイター日本語ニュース 原文:Chawadee Nualkhair、Miral Fahmy、翻訳:植竹 知子)

 
 
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