モーニングスター
東京ゲームショウの見方=ブランド重視とマルチプラットフォーム化が加速
2008年10月14日(火) 17時45分
10月9日から12日まで、「東京ゲームショウ2008」(千葉・幕張メッセ)が開催された。顕著だったのは、家庭用ゲームソフト業界でブランド重視とマルチプラットフォーム化(多機種間でのソフト発売)が加速していることだ。
今回のゲームショウで最も注目を集めていたのが、スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> の「ドラゴンクエスト9 星空の守り人」(09年3月発売予定、ニンテンドーDS用)とカプコン <9697> の「バイオハザード5」(09年3月12日発売予定、プレイステーション3・Xbox360用)。続編ビジネスには賛否両論があるものの、景気悪化による売れ行きへの影響が懸念されるなかでは、すでに一定の評価があり、手堅くヒットを見込めるシリーズ物の新作に力が注がれるのも致し方ない面がある。
このマルチプラットフォーム展開は、海外市場投入に耐え得る商品ということで、人気シリーズへの傾斜はこの先勢いを増す可能性が高い。ゲームショウでは、PS3とXbox360の両機種向けに発売されるタイトルの増加が顕著で、据え置き型は将来この両機種を軸に展開しそうだ。据え置き型は従来、PS3のみ対応のソフトが多かったが、Xbox360の世界的人気上昇が、両機種向け発売数増加の背景にあるようだ。高画質追求など立場が似通う機種だけに、メーカーの収益源多様化の意図が垣間見える。特にスクエニHDのマルチ化傾向は強く、目玉のロールプレイングゲーム「スターオーシャン4」は、Xbox360向けが試遊台に人を集めていた。「世界展開、マルチプラットフォームはできる限り追求していく」(スクエニHD 経営企画部・徳永美沙氏)とのコメントからも、マルチ化への意気込みがうかがえる。
そのほかではコナミ <9766> への注目も高かった。会場で人気を博していた大作「メタルギア ソリッド4」(PS3向け)について、「世界中で要望の多い『Xbox360』向けの発売も前向きに検討している」(コナミ 広報室・改井良隆氏)と、やはりマルチプラットフォームを視野に入れる。ただ、PS3向けにのみ発売されるタイトルが減ることで、ソニー <6758> にとっては悪材料となりそうだ。同シリーズはソニー陣営の有力ブランドとなっているだけに、今後の動向次第ではコナミとソニーの株価に影響を及ぼす可能性も否定できない。
[ 株式新聞速報ニュース/KABDAS−EXPRESS ]
提供:モーニングスター社