巨人をウラから援護…最弱球団・横浜流“おもてなし”
2008年9月18日(木)17:16
(夕刊フジ)
最大13ゲーム差から猛追中の原巨人は、3ゲーム差でついに、あす19日から首位阪神と直接対決3連戦に臨む。巨人・阪神の名門球団が一騎打ちで優勝を争うのは、1976年以来32年ぶり。ただし、この歴史的マッチレースを演出したのは、誰あろう、巨人を助け虎を挫く
横浜ベイスターズ!! 残りのペナントレースのカギを握っているのも、この最弱球団だ。
19日から始まるGT直接対決3連戦。全3試合を地上波で全国中継する日本テレビ系は急遽、いずれも放送時間を最大15分延長することを決定。低視聴率に悩まされている最近では異例の態勢だ。
これも巨人が直前のヤクルト3試合&横浜3試合を無傷で乗り切れたからこそ。巨人の7連勝は実に2シーズンぶり。しかも、16日は今季初先発の久保。17日は
グライシンガーを温存し、プロ初先発の東野を立てた。はっきり言って横浜をなめ切った起用だが、それでも連日の大勝利。
原監督は「久保と東野がよく投げてくれたおかげで、(GT直接対決には)余裕とまではいかないが、自分たちのプレースタイルで戦える」と笑いが止まらない。GT決戦が盛り上がるのも、横浜の弱さのおかげだ。
横浜は5位ヤクルトにすら14ゲーム差をつけられ、最下位が確実。しかも、ただ弱いだけではない。阪神相手には8月4日以降、6連勝中。そのくせ巨人には7連敗中。これでは阪神ファンから「巨人、ヤクルト、横浜が結託した“関東軍”かいな!?」と突っ込まれても致し方ない。
なぜ阪神には勝てて、巨人に勝てないのか。
横浜・大矢監督は「なかなか
ジャイアンツとはいい試合ができない。投手が先に点をやっちゃう。先発投手が勝てないのが一番大きい」と肩を落とす。実際、16日には4回までに8失点(そのうち先発・那須野が3回4失点)。17日もエース三浦が3回6失点。この序盤の大量失点で横浜打線は戦意喪失状態に陥った。
それに比べると、阪神はチーム本塁打が12球団ワーストの72という迫力不足で、8月以降は新井をも欠いている。いったん火が着くと手がつけられない横浜打線に奮起する余地が残されているというワケだ。
また、横浜の両主砲、村田、吉村が巨人戦になると途端に打てなくなる。村田は巨人戦では打率.227(阪神戦は.283)。吉村も巨人戦.205(阪神戦.283)というアレルギーぶりだ。吉村は「巨人戦ではほとんどストライクゾーンに来ない。他球団以上に、ボール球を振らされている」と反省しきりだが、ここでは巨人サイドの研究が功を奏しているようだ。
横浜は今季、巨人戦は残り2試合で、阪神戦が6試合。このまま横浜が阪神に勝ち続けて、巨人の大逆転Vをアシストするようならまさに影のMVP。阪神ファンにしてみれば、これほど憎たらしい存在はない。
横浜球団関係者は「それだけではありません。ウチは10月1日から本拠地で中日と3連戦、続いて4日から広島と3連戦が組まれています。ここでクライマックスシリーズ出場権の掛かった熾烈な3位争いの行方を左右することになるかもしれません」と自嘲ぎみな笑みを浮かべる。
この日はクルーンが4点差の付いた9回に登板し、打者4人を1安打に抑えて締めた。実は、試合前にはこんな光景が。勝手知ったる横浜スタジアムの関係者食堂。超偏食家として知られるクルーンだが、数少ない「食べられるもの」の一つが、ここのミートソーススパゲティ。「クルーン・ミートソース、クダサイ」と流暢な日本語で頼んだのが、いわゆるクルーン専用メニューだ。通常の量(650円)では試合開始直前には重すぎるため、特別に半分の量にしてもらい350円を払っている。まさに至れり尽くせりのサービスぶりだ。
ともあれ、サービスは食堂ぐらいにしておかないと、他球団ファンの罵声を横浜が一身に浴びることにもなりかねない。ペナントレースのカギを握る最弱球団。残り19試合でどんな演出を見せるか−。
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