百貨店3位の高島屋と関西を地盤とする「阪急阪神百貨店」を傘下に抱えるエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)が10日、資本・業務提携を結ぶ方針を固めた。商品開発や物流面で協力する方向で、将来の経営統合を前提に10%程度の株式を持ち合う方針だ。売上高の合計で1兆5千億円規模に達し、三越伊勢丹ホールディングスに次ぐ業界2位の規模になる。10日午後正式に発表する。
百貨店業界は長引く消費低迷を受けて、07年にJフロントリテイリング(大丸と松坂屋)、三越伊勢丹HDと経営統合が相次いだ。しかし、消費の低迷がいっそう深刻になるなか、高額品を中心に百貨店売上高の落ち込みが激しくなった。統合による規模のメリットを生かして、商品開発や物流事業で経営の効率化を急ぐ考えだ。
高島屋は東京・日本橋などに旗艦店を抱える老舗(しにせ)百貨店で、H2Oは関西でのシェアが高い。店舗の重複が少ないことから、提携交渉を進めたとみられる。
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〈高島屋〉 1831年に京都で創業した古着木綿商を起源とする老舗(しにせ)百貨店。現在は大阪・難波、東京・日本橋など国内に20店舗、ニューヨークやシンガポールなど海外に3店舗を展開する。08年2月期の売上高は1兆427億円、営業利益は376億円。従業員数は1万8329人。
〈エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング〉 阪急百貨店と阪神百貨店が07年10月に持ち株会社方式で経営統合し発足。大阪・梅田をはじめ関西を中心に「阪急」で10店、「阪神」で4店を持つ。08年3月期の売上高は4716億円、営業利益は171億円。3月末現在の従業員数は5964人。