ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]

ジャンル
サブジャンル

国内

大阪の水道水、世界有数の品質 技術向上で味わいも追求

10月9日15時21分配信 産経新聞


 【蛇口離れにストップ!】水道水を見直そう(中)

 うだるような暑さが続いた8月下旬。大阪市東淀川区の柴島(くにじま)浄水場で、大阪市民ら約30人が参加した利き水会が行われた。コップの中身は、大阪の水道水と、国産、外国産のミネラルウオーターの3種類。参加者は中身を知らされないまま、においや味を確認しながら評価を書き込んだ。

 その結果、水道水を「おいしい」と答えた人は70%に上り、ミネラルウオーターの外国産は61%、国産は70%と、大きな違いはなかった。なかには「水道水はまろやかだと実感した」という感想も。

 この利き水会は、市水道局が平成18年度から実施する「おいしい水計画」の一つ。担当係長の石本知子さんは「予想以上の評価をいただいて安心した。大阪の水は、めっちゃおいしくて安全だということを理解してもらえれば」と話す。

 水源となる琵琶湖や淀川の水質悪化に伴い、かつて「日本一まずい」とまで言われた大阪の水。「かびくさい」「まずくて飲めない」といった苦情はピーク時の昭和56年に年間1890件を数えた。平成12年に高度浄水処理された水を市内全域に供給してからも、水道水に対するマイナスイメージはなかなか払拭(ふっしょく)できず、味やにおいに関する苦情、問い合わせは今でも年間数十件はあるという。

 内閣府が今年6月に実施した「水に関する世論調査」(20歳以上の男女3000人を対象)によると、「水道水をそのまま飲む」と答えた人は全国平均で37・5%で、近畿地方では27%とかなりの少数派。

 水源や水質に不安を抱く消費者も多いが、日本水道協会によると国内の水道水には、大腸菌やカドミウム、水銀、トリハロメタンなど51項目におよぶ厳格な水質基準が設定されている。一方、嗜(し)好(こう)品扱いのミネラルウオーターの品質基準は食品衛生法に基づく18項目。

 市水道局では厳格な国の基準に加え、「すっきりとしたまろやかな味」を目標とした独自の指標を設定している。石本さんは「新しい浄水技術の研究や給水設備のメンテナンスを進め、さらに味わいを追求していきたい」と意気込む。

 『やっぱり安心 水道水』の著者で、法政大学の左巻(さまき)健男教授は「日本の水道水の品質は、安全性の面でもおいしさでも世界有数。ただし、水の味は水温や先入観にも左右されるので、冷蔵庫でよく冷やして飲み比べてほしい」と呼びかける。(中曽根聖子)

【関連記事】
冷たくて、おいしい! 水道水「子供が飲む風景」が戻った
水処理のウェルシィ 四川被災地に浄水装置を無償提供
ドジョウが出てきてコンニチワ? 水道管接続間違える
欧米でも進むボトル水離れ 環境・家計に優しいエコ
「不要な給水は条例違反」京都・大山崎町が府を提訴

最終更新:10月9日15時34分

Yahoo!ニュース関連記事

  • ソーシャルブックマークへ投稿 0
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • みんトピに投稿
  • はてなブックマークに追加
  • newsingに投稿
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿
  • Choixにブックマーク
  • イザ!ブックマーク
ソーシャルブックマークとは

みんなの感想 この話題についてみんながどう感じたかわかります。

みんなの感想(話題ランキング)


提供RSS