湯気のむこう

デンタルケアが趣味の私は、歯医者さんへよく行きます。

これまでお世話になっていた先生は、遠くなってしまったのでお別れし、近所の気になっていた新しい歯科医院へ行きました。

動物病院と、歯科医院は新しい所が良い・・・の俗説に乗せられ感の私ですが。

で、新しい建物はお洒落です。若い先生が出てくる気満々の私。

が、「こんにちわ、団塊さん・・」の世代の先生でした。

人の良さそうな、穏やかな、要領の悪い先生でした。

要領が悪いと言うのは、衛生士さんに的確に伝わらないから・・・そう思ったまでのことです。


で、よもや話をしながら診察に入り、３ヵ月ぶりにケアをしてもらいながら・・・

「○○さん、僕の顔に何か付いてますか？珍しい生き物の様な顔ですか？」
と、仰います。

「○○さんは、キスの時に目を開けてるでしょう？」

・・・・口を開けたままでは答えられません。なので首を傾げたら「動くな」と注意されました。

だったら、聞くな！と思いましたが。

これまで、意識した事はありませんでしたが、歯科医院では目を閉じるのでしょうか？
今までは、タオルで目を覆われていましたので、これまでの先生もそう思って、私の顔にタオルを被せていたのでしょうか？

目を閉じるものだったのですね。それは失礼しました。

でも、なぜ、治療中に目を開けている事が、キスシーンで目を開ける事に繋がるのでしょう？

私が真近で見ている所は、マスクと帽子の間の「目」の骨格と、先生の瞳に映っている、自分の口を開けたオマヌケ顔です。

で、先生はお答えになりました。

「自分の勘です！」


・・・・私と思考回路が同じの先生かもしれない・・・。