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ノーベル物理学賞 日本人3氏 南部陽一郎氏、益川敏英氏、小林誠氏

2008年10月8日(水)2時54分配信 産経新聞

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 ■素粒子研究 初共同受賞

 スウェーデン王立科学アカデミーは7日、2008年のノーベル物理学賞を高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授(64)、益川敏英京都大名誉教授(68)=京都産業大教授=と米シカゴ大の南部陽一郎名誉教授(87)の3氏に授与すると発表した。授賞理由は南部氏が質量の起源などを理論的に説明する「対称性の自発的破れ」、小林、益川の両氏が素粒子のクォークが少なくとも6種類あることを予言した「小林・益川理論」による素粒子物理学への貢献。宇宙や物質の成り立ちにかかわる根源的な現象を理論的に解明し、素粒子物理学の基礎となる「標準理論」を築いた功績が評価された。日本人のノーベル賞は6年ぶりで、共同受賞は初めて。

 日本人のノーベル賞受賞者は2002年の小柴昌俊氏(物理学)、田中耕一氏(化学)以来。米国籍の南部氏も含めると、計15人になった。

 物理学賞は故湯川秀樹氏、故朝永振一郎氏、江崎玲於奈氏、小柴氏に続く受賞。授賞式は12月10日、ストックホルムで行われ、3氏に賞金計1000万スウェーデンクローナ(約1億8000万円)が贈られる。

                   ◇

 ■「対称性の破れ」理論的に説明

 「ビッグバン」と呼ばれる大爆発によって宇宙が誕生したのは137億年前のことだ。物理学の根底をなす法則が少し別のものだったら、われわれを含め、現在の宇宙は、消滅していたかもしれない。

 それが今も存在しているのは、宇宙ができたときに生まれたクォークや電子などの「粒子」と質量(重さ)が同じで、電気の正負などが異なる「反粒子」の性質の間に対称でない、何か異なる要素があったからだ。

 その結果、粒子をもとにした物質が、反粒子からなる反物質に対して勝ち残って、現在の物質で構成される宇宙があるわけだ。宇宙が誕生したとき、粒子と反粒子は、同じ数だけ生まれていた。粒子と反粒子が出合うと光を放ってどちらも消滅してしまうという性質がある。

 粒子と反粒子の間で対称性を成立させていないものは何か、そして物質に重さ(質量)を与えているものは何なのか−。

 それが現代物理学の根幹をなす「対称性の破れ」という現象だ。南部さんは1961年という早い時期に「対称性の自発的破れ」の理論を提唱し、素粒子物理学の基盤を形成した。

 小林さんと益川さんが構築した「小林・益川理論」は、対称性の破れが生じる条件を説明する内容だ。この理論で素粒子(物質を構成する最小単位)であるクォークが6種類あれば、対称性の破れが起きることを証明してみせた。

 2人が京都大の助手(助教)時代の共同研究で30歳前後の若い頭脳の産物だった。クォークは当時、3種類しか見つかっていなかったが、加速器を使った実験で95年までに6種類であることが確認され、理論の正しさが確認された。

 南部さんと小林、益川さんの理論は、素粒子物理学の標準理論を支える重要な柱としての国際的な評価が確立しており、ノーベル賞の期待が高まっていた。






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