「政宗さま」サイコー 若い女性のハート射止める

県護国神社に掲げられた絵馬。政宗のイラストを書き入れる若い女性の姿が目立っている
 仙台城跡(仙台市青葉区)など、仙台藩祖伊達政宗ゆかりの名所で、年配の観光客に交じって若い女性の姿が目立っている。政宗ら戦国武将が戦う家庭用ゲームソフト「戦国BASARA(バサラ)」シリーズがヒットしたことで人気に火が付き、静かなブームを呼んでいる。

 「政宗様、愛しています」「BASARA、まじサイコー」
 城跡の宮城県護国神社の境内には、イラスト付きの絵馬が並ぶ。4月ごろから、中学、高校生や大学生の女性が2、3人で来て、絵馬に書き込むようになった。政宗の騎馬像と併せ、ゲームファンの女性の定番観光コースとなっている。

 政宗の霊廟(れいびょう)で知られる瑞鳳殿(青葉区)にも10―20代の女性が足を運ぶ。「客は6対4で女性の方が多い」と加藤寛学芸員は語る。

 政宗を祭る青葉神社(青葉区)を訪ねる女性も多い。政宗の家臣で、ゲームにも登場する白石城主片倉小十郎の子孫の重信宮司(68)を目当てに来るという。重信さんは「ゲームの影響がすべてとは考えられないが、30代ぐらいの女性の姿は目立ってきた。歴史を勉強している方が多い」と話す。

 BASARAシリーズは100万本以上を売り上げ、戦国武将ブームの火付け役となった。武将が現代風にスタイリッシュに描かれ、若い女性に人気が高い。小十郎ゆかりの白石市にも多くの女性観光客が訪問している。

 友人と仙台城跡を訪れた長野市の家事手伝いの女性(22)は「約4年前からゲームにはまり、政宗が治めた仙台に来てみたいと思っていた。政宗はクールで頼りがいがあって好き」と言う。

 政宗の甲冑(かっちゅう)を展示する仙台市博物館(青葉区)にも女性客が増えた。水野沙織学芸員は「甲冑の前で写真を撮る女性が少なくない。どんな形であれ、政宗に心をときめかせ、歴史に興味を持ってもらうのはうれしい」と述べている。

[戦国BASARA]戦国時代を舞台にしたアクションゲーム。プレーヤーは伊達政宗のほか、上杉謙信、織田信長、真田幸村、長宗我部元親ら戦国武将を操って敵将を倒す。ソニーの「プレイステーション2」「プレイステーション・ポータブル」と任天堂の「Wii」で5作品を発売している。制作会社のカプコン(大阪)がファンを対象に実施したアンケートによると、政宗は登場武将の中で1番人気となった。
2008年10月08日水曜日

宮城

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