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リニア新幹線「南アルプス直下ルート」 JR東海方針(1/2ページ)

2008年10月7日3時1分

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写真JR東海が山梨実験線で走らせるリニアモーターカーの試験車両=山梨県都留市

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 JR東海は、東京―名古屋で25年の開業を目指すリニア中央新幹線を、南アルプスをほぼ直線に貫くルートで建設する方針を固めた。建設費や乗車時間の面で有力だった直線ルートについて、課題だった地形や地質上の問題を克服できると確認できたため。今後の焦点は、別ルートを求める長野県など地元自治体との協議に移る。住宅地や山間部での環境問題も、課題になる可能性がある。

 JR東海は、来週にも直線ルートの建設は技術的に可能とする調査結果を国土交通省に報告する。

 同社は、リニアの路線として直線ルートと、南アルプスを北側に迂回(うかい)するルートの二つを検討。用地買収が容易なため建設費が安く、乗車時間も短い直線ルートを有力としてきたが、南アルプスを掘削するトンネル建設に技術的な課題が残っていた。今回、旧国鉄時代の74年から続けてきた地形・地質調査で、わき水や断層などの課題は技術的に克服できると国交省に報告することで、同社は直線ルートでの建設へ大きく踏み出す。

 リニア中央新幹線は、JR東海が独自資金で建設を進める。しかし、土地収用など法制面の支援を受けるには、国交省から建設主体の指名を受ける必要があり、その国交省は「地元との調整が必要」との立場。沿線自治体の長野県は県内をより長く通る北側への迂回を希望しており、JR東海は、地元への配慮を示しつつ直線ルートへの理解を求めていく構えだ。

 直線ルートの場合でも、甲府市付近や長野県南部の飯田市付近には、途中駅が建設される可能性が高い。「地元負担」としてきた途中駅の建設費などが、地元との協議の対象になりそうだ。

 JR東海は昨年12月、5.1兆円を投じて最高時速500キロのリニアを建設し、東京―名古屋を新幹線の半分にあたる40〜50分で結ぶと発表。これらの費用や所要時間は直線ルートを想定する一方で、ルートの最終選定は地形・地質などの調査も踏まえて決定する方針を示していた。

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