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石井プロ格闘家転向!大みそかデビューへ

 北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストの石井慧(21)=国士大=が、プロ格闘技界へ転向する決意を固めたことが4日、明らかになった。本人が親しい関係者に話した。デビュー戦は大みそかになる模様だが、現在も水面下で激しい石井争奪戦が繰り広げられている。石井はこの日、5日に行われる世界柔道団体選手権(東京武道館)の前日練習を欠席したが、調整不足のため試合も欠場する見込み。転向すれば、五輪金メダリストとしては3人目。一躍時 の人となった石井が、プロ格界を席巻する。

 北京での金メダル獲得から約1か月半。国士大4年で進路が注目されていた石井が、かねてから興味を示していたプロ格闘家に転向する決断を下した。ごく親しい関係者に「プロの格闘技の世界に行きます」と思いを伝えていた。

 初の五輪で金メダルを獲得した後、石井を巡って柔道界だけでなく、格闘界も巻き込んでの“争奪戦”がぼっ発。柔道の実力もさることながら、ユーモアあふれる話術も魅力の若武者は、格闘界注目の的となっていた。石井自身も柔道界からプロの世界に飛び込んだ小川直也、秋山成勲を慕うなど、プロのリングに興味津々。K―1、戦極などの団体の中で、契約金1億円(推定)を用意するDREAMが一歩リードしている模様だ。

 石井は21歳とまだ若く、周囲には「ロンドン五輪が終わってからでも」という声もあった。それでも本人は周囲に「若いうちに(格闘技に)挑戦したい」と度々漏らしていたといい、希望が実現した格好だ。全日本柔道連盟の競技者規定には「格闘技系競技(プロレス、プライド、K―1など)にプロ選手などで登録され契約した場合、会員登録の永久停止」とあり、転向すれば重い処分が科せられる。だが、期間を定めた会員登録停止も明記されているため、過去に例を見ない柔道現役選手復帰の道もある。

 柔道に対する愛着は強いが、5日の世界団体選手権など五輪後も大会が続くことに繰り返し不満を漏らしていた。先月は、あこがれの格闘家・ヒョードルとの初対面も計画されたが、全日本柔道連盟からストップがかかり消滅。プロとの交流も禁じる柔道界と、自由な格闘界の間で揺れ、悩みを深めていたが、最終的に後者を選択した形となる。

 この日、都内で世界団体選手権の日本代表による練習が行われたが、石井は所属する国士大の行事参加のため欠席。本人に近い関係者によれば、大会後の行事参加で練習が大幅に不足したことに加え、精神的な疲労もあったという。さらに、報道陣を避ける意味合いもあったようで、5日の試合は欠場する可能性が高い。

 総合デビュー戦は大みそかが有力。団体消滅などもあり、最近元気のなかったプロ格闘界にとっても起爆剤として期待される。五輪後は「これから快進撃が始まります」と話していた石井。畳からリングへと場所を変え、自身が目指す「世界一強い男」への挑戦を開始する。

 ◆石井 慧(いしい・さとし)1986年12月19日、大阪・茨木市生まれ。21歳。大阪・清風高1年の途中で国士舘高へ編入。国士大在学中。100キロ級時代の06年4月に全日本選手権で史上最年少優勝(19歳4か月)。07年秋に100キロ超級に転向して08年4月の同大会を制し北京五輪代表となり、金メダルを獲得。181センチ、110キロ。家族は両親、妹、祖母。

 ◆総合格闘技 目つぶしなどの急所攻撃を除き、パンチやキックなどの打撃と寝技を駆使して試合をする。略して「総合」。英語で「MMA」(Mixed Martial Arts 混合格闘技)、ポルトガル語でバーリトゥード(何でも有り)とも呼ばれる。一般的に上半身は裸で、指が可動できる特殊なオープンフィンガーグラブを使用。1ラウンド5分、10分などの間隔で、2~3ラウンドを戦い、KO、TKO、判定などで決着する。リングは四角形、金網、円形など団体により異なる。1993年11月に米国で開催されたUFCをきっかけに世界的に拡大。日本では97年10月にPRIDE(現在は消滅)がブームのきっかけを作った。

 ◆総合格闘技界の現状
  日本の格闘技はこの10年あまり、立ち技系の「K―1」、総合の「PRIDE」の2大勢力が中心だった。2003年の大みそかには、大相撲の元横綱・曙がK―1に参戦するなど話題を呼び、3つの格闘技イベントが地上波で中継されて広く世間に浸透した。

 だが、「PRIDE」は2007年、前年にテレビ中継がなくなった影響から崩壊。地上波放送は、FEGによる「HERO’S」だけとなり「総合」市場は急速に後退した。

 2008年になると、新イベント「DREAM」が誕生。TBSが中継を担当し、3月15日に第1回大会を行った。一方、同時期に「戦極」も旗揚げされ、3月5日にDREAMより一足早く第1回大会を開催。10月からはテレビ東京が放送することも決まっている。

 格闘技関係者によると、今後の両イベントが合併する可能性があるという。今年大みそかは、TBSが「DREAM」の選手が参加する「Dynamite!」を中継予定。1月4日の「戦極」(さいたまスーパーアリーナ)はテレビ東京が放送予定。石井がその目玉になることは確実だが、今後両イベントを合体させ、テレビ局も一本化するプランがあるため、石井の初試合となるリングも流動的とみられる。

 ◆石井の奔放行動・言動
  ▽パフォーマンス
 北京五輪決勝直後、小川ばりのハッスルポーズを披露。「柔道最高!」と秋山の決めゼリフも連発した。インタビューでは「五輪の重圧は斉藤先生(全日本男子監督)の重圧に比べたら屁のつっぱりでもありません」と発言し話題を呼んだ。

 ▽首相の辞任を予知? 五輪の報告で首相官邸を訪れた際に福田康夫首相(当時)と握手。直後に首相が電撃辞任すると「自分は握手をすれば相手のすべてがわかる。薄々こうなることは分かっていた」。

 ▽金言 五輪報告会で訪れた母校の清風学園(大阪)で、後輩たちを前に「(借金の)保証人にはなるな」とアドバイス。国士舘高でも「地球温暖化を阻止するために一緒にネクタイを外しましょう」と呼びかけた。

 ▽プロレス“デビュー” 先月28日に小川の主宰する道場で行われた五輪報告会に参加した際、道場生とのけいこで勢い余って柔道着を脱いで上半身裸に。プロレス技で勝利した。

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(2008年10月5日11時04分  スポーツ報知)

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