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橋下知事「判決が不当とは思わないが…」控訴の意向

2008年10月2日13時39分

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 山口県光市の母子殺害事件をめぐり、橋下徹・大阪府知事が知事就任前の07年5月、テレビで繰り広げた発言で2日、知事敗訴の判決が出た。

 橋下知事は「原告の皆さん、光市母子殺害事件の弁護団の皆さん、大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と頭を下げた。「私の法令解釈、表現の自由に対する考え方が間違っていたとの判断を重く受け止めます。判決が不当とは思わないが、三審制ということもあり、一度、高裁にご意見をうかがいたい」と述べ、控訴の意向を示した。

 広島地裁の判決は、刑事弁護人の使命・職責について「有罪判決確定までは無罪と推定される被告の保護者として、基本的人権を守る役割を担う」ことが憲法上の要請だと強調。弁護士の懲戒をめぐっては「多数の人々から批判されることでそうした弁護人の活動が制限されたり、ましてや懲戒されるようなことがあってはならない」と述べた。こうした判断を踏まえて、弁護士である橋下氏の見解を「まったく失当」と厳しく戒めた。

 原告の一人で、元少年の差し戻し控訴審途中で弁護人を解任された今枝仁弁護士(広島弁護士会)は閉廷後に記者会見した。今枝弁護士は「裁判員制度の開始前に、報道で得た断片的な情報をもとに、十分な調査をせず弁護人を懲戒請求するのが違法であることが公的に確認された。画期的な判決だ」と話した。

 差し戻し控訴審では、一、二審とは一変した元少年の主張に沿った弁護方針が、一部から強い批判を受けた。今枝弁護士は「被告の利益のためになされる刑事弁護の意義が社会に広く、十分に理解されなければならない」と強調した。

 原告弁護士の代理人を務めた弁護士らも午前11時前から記者会見した。児玉浩生弁護士は「世間から、刑事弁護について感情的な批判が続いていた。それを後押しする橋下氏の発言が間違っていたことを判決が端的に示しており、満足している」と語った。

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