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ウォン安:ドル資金枯渇に悲鳴、通貨危機の再来か(下)

◆月末の決済需要殺到

 今月のウォン安には突発的要因も働いた。輸出保険公社の為替変動保険に関連する決済代金需要(5億ドル=約520億円)が一度に舞い込んだためだ。

 輸出保険公社の担当者は「公社との契約に従い、銀行は5億ドル前後の決済資金準備を迫られた」と説明した。普段銀行は1カ月かけてドルを買い集め、余裕を持って決済代金を準備する。しかし、銀行は最近の為替変動でドル買いのタイミングを逃したため、ドル資金不足に直面している。

 市中銀行の為替ディーラーは「米国の公的資金投入でウォンが反発するとみて、ドル買いを先送りした銀行が多い」と指摘した。さらに、29日には輸出企業の決済需要も出た。通貨オプション商品で損害を受けた中小企業も月末の決済を控え、先を争うようにドル資金の確保に動いている。まさにウォン安要因一色といった様相だ。

◆ウォン相場、1200ウォン割り込みも

 専門家も為替相場が正常な状態ではないと認識している。ハナ大投証券のキム・ジェウン研究員は「不安心理による理性を欠くウォン安だ。29日の下げ幅は行き過ぎだ」と話した。

 専門家はこうした興奮状態の市場が続けば、ウォン相場が1200ウォンを超えて下落することもあり得るとみる。サムスン先物のチョン・スンジ研究員は「米国の公的資金投入合意で為替相場が安定するとみられたが、むしろウォン安が進んだ。どう転んでもウォンが下落しており、1200ウォンのラインを割り込むことも念頭に置くべきだ」と分析した。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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