ウォン安:ドル資金枯渇に悲鳴、通貨危機の再来か(上)
10年前の再来か-。市中銀行の為替ディーリングルームは29日、1997年のアジア通貨危機が再現されたかのようなムードだった。ドル買い需要が押し寄せたのに対し、売り物が消えた。
同日の為替相場は取引開始から異様な雰囲気に包まれた。米政府と議会による公的資金投入合意で沈静化するかに見えたウォン安傾向には歯止めがかからず、逆に先週末比8.5ウォン下落した1ドル=1169.00ウォンで寄り付いた。為替ディーラーは「取引開始からウォン安が進行し、輸出企業によるドル売りもなくなった」と話した。
為替市場ではドル資金が枯渇し、取引が成立しないまま、ウォンが下げ足を速め、午後2時には1200ウォンを割り込んだ。すると、当局による市場介入とみられるドル売りが入り始めた。
ウォン相場は一転1184ウォンまで反発した後、1188.80ウォンで取引を終えた。
◆「ドル飢饉」との声も
29日時点では米政府が公的支援でドル資金を金融市場に供給することが有望視されていたが、韓国の為替市場には当面必要なドル資金がなかった。為替市場の取引規模は昨年9月には毎日100億ドル(約1兆380億円)前後だったが、29日は72億ドル(約7480億円)にすぎなかった。今月24日には48億ドル(約4980億円)まで落ち込んだ。
市中銀行の為替ディーラーは「実際に市場に新規供給されるドル資金は昨年の10分の1にすぎない」と指摘した。
さらにドル資金を確保しておこうという不安心理もピークに達している。韓国証券のチョン・ミンギュ研究員は「先週銀行が政府に外貨準備を取り崩してほしいと要求したのは、それだけドルが不足している証拠だ。米国市場が安定するのを待っていたところ、韓国は飢え死にしてしまった」と嘆いた。
このようにドル飢饉(ききん)ともいえる状況が生じたのは、米証券大手リーマン・ブラザーズの破産などで海外の資金市場が冷え込み、国内外を問わず、金融機関が資金の融通に慎重になっているためだ。さらにドルを保有している輸出企業も資金難を懸念し、ドル売りを思いとどまっている。
趙義俊(チョ・ウィジュン)記者
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