米国は金融システムで超大国の座を失う=独財務相
[ベルリン 25日 ロイター] ドイツのシュタインブリュック財務相は25日、世界的な金融危機を引き起こした元凶としてアングロ・サクソン型資本モデルを挙げた。財務相はいつになく厳しい口調で、米国が世界の金融システムにおける超大国の座を失うだろうと述べた。
連邦議会(下院)で演説した同財務相はまた、米国は市場規制の強化を受け入れる必要があるとの認識を示した。
財務相は世界的な金融危機は「大きな傷跡」を残すと予想、投機的な空売りの禁止や信用リスク相殺に向けた銀行の自己資本比率引き上げなどを含む8つの対策を提案した。
財務相は「世界は危機前とは一変するだろう。米国は世界の金融システムにおける超大国の座を失い、世界の金融システムは一段と多極化するだろう」と述べた。
また、危機の責任は米国と、銀行や企業の幹部が利益の2けた成長や巨額ボーナスを追い求めたアングロ・サクソン型資本モデルにあるとあけすけに批判。「ニューヨーク、ワシントンとロンドンの投資銀行家や政治家は、それらをあきらめようとはしなかった。ウォール街は決して元通りにはならない」と述べた。
金融安定化策については、国内金融機関に米国の対策のコピーを適用する必要もなければ、適用が賢明なことでもないとの考えを示した。
財務相はさらに「金融危機は何はさておき米国の問題だ。欧州大陸の他の主要7カ国(G7)の財務相もこの意見を共有している」と述べた。
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