はしかの追加接種を受けに病院を訪れる中高生は少ない=29日午前11時半、野々市町本町5丁目の浅井小児科
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若者のはしか予防のため、全国の十三歳と十八歳全員を対象に今年四月から始まったワ
クチンの追加接種が石川県内で低迷している。六月末までの厚生労働省の集計では、県内
の接種率は十三歳、十八歳ともに全国平均を下回った。医療関係者は「子どもや保護者の
自覚を促すことしかできない」と手をこまぬいている。
県内で追加接種を受けた子どもの割合は、六月末時点で、十三歳が35・4%(全国平
均38・8%)で全国二十九位、十八歳が22・3%(同29・6%)で同四十三位にと
どまっている。
学校での集団接種を実施している能登地区の一部を除き、県内では一人ひとりが病院へ
行って注射を受ける個別接種を導入している。金沢市や白山市は先月から対象者に再度通
知を送るなど、接種を積極的に勧めているが、生徒からは「わざわざ病院に行くのが面倒
くさい」という声が多く聞かれるという。
ただ学校側は、万が一副作用などが出た場合を考えて集団接種には及び腰で、接種率向
上の妙案は浮かんでいないのが現状だ。
県小児科医会長で、はしか撲滅運動を長年推進する浅井恭一医師=野々市町本町五丁目
=も「部活や勉強で忙しい中高生は病院に来ない。個別接種は限界では」と指摘。はしか
の流行抑止には95%以上の接種率が必要なため、「どうしたら接種率を上げられるか再
度検討すべきだ」と話している。