【9月29日17時09分更新】
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◎追加接種、個別は限界? 13、18歳のはしか対策 県内低迷、全国平均以下

はしかの追加接種を受けに病院を訪れる中高生は少ない=29日午前11時半、野々市町本町5丁目の浅井小児科
はしかの追加接種を受けに病院を訪れる中高生は少ない=29日午前11時半、野々市町本町5丁目の浅井小児科
 若者のはしか予防のため、全国の十三歳と十八歳全員を対象に今年四月から始まったワ クチンの追加接種が石川県内で低迷している。六月末までの厚生労働省の集計では、県内 の接種率は十三歳、十八歳ともに全国平均を下回った。医療関係者は「子どもや保護者の 自覚を促すことしかできない」と手をこまぬいている。

 県内で追加接種を受けた子どもの割合は、六月末時点で、十三歳が35・4%(全国平 均38・8%)で全国二十九位、十八歳が22・3%(同29・6%)で同四十三位にと どまっている。

 学校での集団接種を実施している能登地区の一部を除き、県内では一人ひとりが病院へ 行って注射を受ける個別接種を導入している。金沢市や白山市は先月から対象者に再度通 知を送るなど、接種を積極的に勧めているが、生徒からは「わざわざ病院に行くのが面倒 くさい」という声が多く聞かれるという。

 ただ学校側は、万が一副作用などが出た場合を考えて集団接種には及び腰で、接種率向 上の妙案は浮かんでいないのが現状だ。

 県小児科医会長で、はしか撲滅運動を長年推進する浅井恭一医師=野々市町本町五丁目 =も「部活や勉強で忙しい中高生は病院に来ない。個別接種は限界では」と指摘。はしか の流行抑止には95%以上の接種率が必要なため、「どうしたら接種率を上げられるか再 度検討すべきだ」と話している。


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